なぜ、今郵政民営化なのか?

先にメルマガのコラムにも書きましたが、今国会で審議中の「郵政民営化法案」の去就が注目されています。しかし、国民の関心度は、低く、しかも国民には、よく分からないまま、審議だけが進んでいる印象があります。

果たして、この民営化のメリットは何なのか?デメリットは何なのか?また、なぜ、今、民営化なのか?という素朴かつ最大の疑問に、ロジックの手法、特に三角ロジックの手法で、迫ってみたいと思います。

三角ロジックの基本

ロジックには、様々な手法がありますが、基本は、「なぜ?」⇒「なぜなら」という問いかけにあります。ロジックの使い方には、大きく分けて2種類あり、「なぜ?」に対してある仮説を立て、それを、論証していく、所謂「演繹法」と、様々なデータや、現象の観察から、一定の法則を見出す、「帰納法」とがあります。

ロジックは、ビジネス英語のライティングや、プレゼンテーションの基本ともなるものですが、今回は、郵政民営化のナゼに焦点を当てて、ロジカル・シンキングの練習をして見ましょう。

興味深い、民主党の推論

今回の最大の疑問は、なぜ、「民営化」先にありきなのか?ということです。この点について、先の衆議院での国会質問をたまたま、TVで見ていて、はっとさせられた推論がありました。民主党の稲垣議員の質問でしたが、彼の、仮説・推論とは、「なぜ」、今郵政民営化なのか?という疑問に対する答えとして、民営化をすると、民営化された郵政事業は、その預貯金額(現在の4大メガバンクすべての預貯金額を軽く超える)の規模からして、即、民業圧迫の批判を浴びるようになるはず。

しかも、郵貯以外の郵便、宅配事業を抱えた状態は、明らかに民間金融機関の専業規定に反する形となる。

すると、今度は、その整合性をとるために、法律上決定された郵政株式会社をかえるのではなく、むしろ、銀行など民間の金融業に義務付けられている、「金融専業」という法律的な縛りを逆に外さざるを得なくなるというものです。

するとどうなるか、結果として、本来、銀行などの金融機関は、金融業以外の株式会社を保有してはならないという、「専業規定」から解き放たれるというものです。これにより、銀行を中心とした、1大「金融コングロマリット」が出現することになるというものです。

*金融専業規定の意味
なぜ、金融業は、金融業以外の株式会社保有が禁じられているかといえば、もし、銀行が保有する株式会社が可能になれば、その会社への融資は、例え会社自体が不健全経営であっても、潤沢に行われる可能性があり、しかも、同業他社を駆逐する可能性があるからです。
*参考:「金融の自由化」
しかもこの適応は、日本企業に限らないはずですから、2006年に施工される予定の「新会社法」の改正とあいまって考えれば、金融支配の日本が創出されるという、「推論」でした。

この「金融コングロマリット」の創出の先鋒として、まず郵政民営化ありき、という仮説は、それなりに説得力のあるものであるといえます。

また、その「仮説」を仮に真とするためには、「証拠」「推論」を展開する必要があります。次にそれをロジックの形式で観てみましょう。