「あの新資格」のその後
不況でも企業が欲しがる人材とは?
ビジネスパーソンにとっても、先行き不透明、キャリアビジョンを描きづらい時代ですが、そんなときでも、いやそんなときだからこそ、企業としても優秀な人材は手放したくないもの。「この先」を考えるなら、まずは企業の視点から、「手放したくない」人材を探ることが大切です。

企業が求める人材像の3つの条件をご紹介。こんな時代だからこそ、自分の市場価値を高める資格・スキルをしっかり身につけておきましょう。

条件その1:利益増に貢献できる人材

企業がまず目指したいのは、利益の増大。そのため、営業・販売などで直接的に利益を生む人材や、企画・商品開発など間接的に利益を生み出す人材については、人件費を削りたい不況時にも、たとえコストをかけても確保したいと考えます。
裏を返せば、今こうした職種についている人、目指そうとしている人なら、いかに利益を伸ばせるかが生き残りのカギになるということ。そうは言っても、モノが売れない時代、これは決してたやすいことではありません。

そこで資格やスキルで補強するなら、まずは扱う商品、分野の専門性を高めることを基本にしつつ、さらに商品の幅や種類を増やして利益を生む方向性が考えられるでしょう。

例えば、不動産関連の営業職が、まずは基本の「宅建」(宅地建物取引主任者)を押さえたあと、「福祉住環境コーディネータ」で高齢者向け住宅やバリアフリーへのリフォームなどに特化する、あるいは販売職が、「販売士」で専門性を証明しつつ、「サービス介助士」で顧客サービスをはかったり、「福祉用具専門相談員」「登録販売者」を取って、新しく扱える商品の幅を広げたりという具合です。

条件その2:コストダウンに貢献できる人材

モノが売れる時代であれば、利益は自ずと増えるものですが、不況時にはそうも言っていられません。入ってくるお金が減るならば、出て行くお金を減らすことで企業は利益を守ろうとします。
つまり、余計なコストをできるだけ削減したいという、企業の切実なニーズに応える人材になれば、当然企業の評価もアップします。
特に、前ページでご紹介した「条件1」だと、どうしても該当する職種は限定されがち。いわゆる事務職の方たちなどはなかなか難しいでしょう。しかし、この条件であれば誰にでも可能性は広がるのです。

この条件を満たす上で、最も欲しいのが「コスト意識」。自分の業務だけでなく、部署全体、会社全体にまで広げて業務改善やコスト削減を図るためには、「簿記検定」で基本的な係数感覚を身に着けるほか、「MBA」「中小企業診断士」など、経営の視点から業務を見ていく力が役に立つはず。必ずしも資格取得しなくても、関連のテキストに目を通したり、セミナーを受講したりするところから始めてみても良いでしょう。

また、様々なリスクに伴う「余分な出費」というのも、企業が避けたいもののひとつ。人事・労務が、労使紛争を未然に防ぐためために「社会保険労務士」やメンタル不全の休職者を出さないために「メンタルヘルス・マネジメント検定」「産業カウンセラー」を取得するとか、広報担当者が「PR・IR資格」を取って、企業のIR業務を的確に行うなどがこれに含まれます。

条件その3:1人で何役もこなせる人材

「条件2」にも共通していますが、無駄なコストを削減したい企業が真っ先に手をつけるのが、残念ながら「人件費」です。仕事は変わらないのに、人は減らしたい、となれば、当然欲しいのが、1人で複数の仕事をこなせる人材。それも「なんでも屋」ではなく、それぞれ高いレベルの専門スキルが複数身に着いているとなればベストです。

したがって、この条件を見たすなら、まずは自分の業務で専門性をきちんと身に着けた上で、次に身に着けるべき知識・スキルを見極めること。特に外注している業務や、最近ニーズが高まっているのに、まだ専門家がいない業務などが狙い目です。

例えば、中小企業などではホームページ管理、セキュリティ管理などIT関連の業務は、専門部署もないのでついつい外注といったケースが多いものですが、それを社内人材で補えれば当然コスト削減にも貢献。
また、人件費に続き削減が目立つ「教育研修費」も、社内で講師・インストラクターをつとめられる人材がいれば、それに越したことはありません。
こんなふうにアイデア次第で組み合わせが効くのも、この条件の特徴。まずは、社内のニーズを見渡すところから始めてみてはいかがでしょう。



今回挙げた「3つの条件」は、実はいつの時代でも企業の中で求められる人材の基本でもあります。

つまり、企業のニーズを把握した上で自分の価値を高めておくことは、今の「生き残り」に役立つだけでなく、将来的に雇用情勢が安定し、転職のチャンスが到来したときに勝負できる実力をつける意味でも大いに役にたつはずです。
こんな時代だからこそ、「明日」の自分のためにがんばりましょう
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