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その資格、大丈夫?消える資格の条件(4ページ目)

せっかく取っても、その資格自体がなくなってしまったら、それまでの努力も水の泡。今回は、これまでに「消えていった資格」の傾向をもとに、「消える資格」の条件を検証してみました。

いぬかい はづき

執筆者:いぬかい はづき

仕事に活かせる資格ガイド

条件その3:成長分野ゆえに、資格制度が流動的

「条件その1」とは矛盾するようですが、「時代に取り残される」資格だけでなく、実はIT、コンプライアンス、介護など、いわば「時代の最先端をいく」資格にも注意が必要です。
とは言え、この場合はこれまでのケースとは少々事情が異なり、単に資格が「消える」というよりも、新たな資格に生まれ変わる、というケースがほとんど。

例えば、既に今年3月の試験をもって終了が決まったのが「知的財産検定」(知的財産教育協会)は、国家検定化に伴う廃止。いわば「発展的解消」ですから、今までご紹介してきたケースとは違い、従来試験の合格実績がまったくムダになるというわけではありません。
ただし、たとえ旧試験に合格していても、そのままでは「国家検定」とは見なされず、移行には講習と修了試験の合格が必要。それなりの労力が求められることになります。

また、最先端資格だからこそ、時代のニーズに応じて資格制度自体が改変されることもしばしば。このような改変で従来資格が「消える」ことが決定しているケースには、「初級システムアドミニストレータ」があります。また、「ホームヘルパー3級」は介護保険法改正により、2009年からは介護業務の提供ができなくなるため、事実上の「廃止」になる予定。いずれも多くの受験者を集める「超」人気資格だけに「廃止」というニュースは様々な波紋を投げかけました。

■結論:資格制度の過渡期には改変内容をしっかり確認!
資格制度の改変などにより、目指す資格が近々「消える」可能性がある場合、今取得すべきか、改変後に取得すべきか迷うところでしょう。
例えば、3級に続いて、将来的に「廃止」が噂される「ホームヘルパー2級」の場合は、今後介護・福祉職に就くために必要となる「介護職員基礎研修」の受講時間の一部が免除されるなど、取得者に有利な要件があるため、いずれ使えなくなるとしても取っておく価値は十分にあるという意見も。

また、国家検定化などに伴う従来取得者の移行措置には、今回の「知的財産検定」のように講習の受講や専用の試験などが設けられるケースが多いのですが、その場合も、一からの受験よりは多少ハードルが低くなることが予想されるため、「廃止」まで多少の時間があるという場合には取得しておくのも一考です。

問題は、今回の「初級シスアド」のようなケース。
改変後の資格制度の中に旧資格に該当する資格が存在しない場合、通常移行措置は取られません。
一方で、旧資格にそれなりのネームバリューがあり、新資格制度が普及するにはそれなりの時間も必要。そんなときには、二重の手間は承知であえて両方取得しておくという手もあるでしょう。
特にIT分野など、技術革新のスピードが速い分野では、「消える」「消えない」にかかわらず、新しい資格をコンスタントに取っておくというということの方が重要になるのかもしれません。
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