「育休中だから資格取得を諦める」のは嫌だった!
ガイド:差し支えのない範囲でかまいませんので、これまでのご経歴、現在のお仕事についてお聞かせいただけますか?
霜丘さん:
社会に出たての頃はヘルプデスクやデータベース管理、情報管理の社内教育などをしていました。
かたやカウンセリングも並行して勉強していており、HIVの電話相談員のボランティアなどもやっていました。
20代半ばはこの先どちらのキャリアブロックを積んでいくべきか迷いましたが、キャリアカウンセリングとの出会いで方向性が決まりました。
その後は、勤務先の派遣会社でスタッフさんのカウンセリングをさせていただいたり、人材分析のベンチャーに転職して、心理学的なアプローチで採用や組織開発のお手伝いをしながら、いくつかのカウンセリングサロンで相談を受けたり、産業カウンセラー協会で実技指導をしています。
ガイド:
最初のキャリアを伺うと、「カウンセリング」とは少し離れた分野でのスタートですよね。産業カウンセラー取得を目指されたのはどのような理由からだったのでしょうか?
霜丘さん:
もともと大学では臨床心理学を専攻していました。といっても、学部生時代は基礎を幅広く学ぶので、どうしても、精神病理だったり治療的要素が強いんです。それで、卒業後はもっと幅広く身近にカウンセリングを使えるようになりたいと思っていました。
数ある心理カウンセリング系の資格の中でも、養成講座の中で体系的な面接実習が豊富に受けられる「産業カウンセラー」は、学部ではできなかった面接実習をたくさんやりたかった私にとっては魅力的でした。
もちろん、当時はまだ厚生労働省の認可の公的資格だったということも、取得を後押ししたと思います。
ガイド:
学んでみての感想はいかがでしたか?臨床心理学とはまた違った印象をお持ちになったのでしょうか?
霜丘さん:
はい。実際に学んでみると、産業カウンセラーの「働く人とその家族の心の健康を促進して、労働生産性に寄与する」という在り方はとても性に合っていると感じました。
治療というより、予防のアプローチですね。対象も特別な人でなく、とても広いですし、今後ますます重要な役割を担うようになってくると思っています。
ガイド:
なるほどー。そんな「産業カウンセラー」資格については、あとでもう少し詳しく伺うことにしたいと思いますが、まずここでは、あえて育休中に資格に挑戦しようと思われたきっかけや動機についてお聞かせいただけますか?
霜丘さん:
実は、妊娠した年はもともと年末に受験するつもりでした。ですから「育休中だから挑戦した」というよりも、もともと予定していた受験が「妊娠・出産・育休」と重なったというのが実際のところなんです。
今回私が取得した「シニア産業カウンセラー」資格は、「産業カウンセラー」資格を取得後3年経たないと受験資格が得られないんですが、ただ3年経てばいい、というのではなくて、それまでに決められた数の「単位」を取らなければなりません。
私も、取得後3年後の受験を目指して必要な単位を取りました。妊娠した年も、かなり研修を詰め込んでいましたね。
結局、取りこぼした単位もあって、これは産後に取り、受験も二回しました。
ガイド:
もともと受験を予定していても、妊娠、出産を機に「見送る」という選択肢を選ばれる方もいらっしゃると思いますが、霜丘さんはそうではなかった、というわけですね?
霜丘さん:
そうです。育児中だから無理だ、と決めることはしたくなかったんですね。試しにチャレンジしてみたら、なんとかなったという感じでした。
>>育児休暇中のスキルアップには、これまでにはない苦労がつきもの。涙もののエピソード満載の体験談は次ページで。