「ビジネス実務法務検定試験(R)」の対策
公式サイトで公開されているビジネス実務法務検定試験の合格率を見ると、3級で60~70%台、2級で20~30%台、1級で10%前後。2級では、相続などのビジネスと個人の関わりや紛争の解決・予防方法、国際法務(渉外法務)分野など、より応用力が問われる分野が追加、1級では、試験方法が更に深い知識が問われる論述式になることから、1、2級の難易度はぐっと高いものとなっています。
単なる知識を問う3級に比べ、法律を具体的な場面で使えるかどうかを問う1、2級では、実践経験の有無が大きなカギを握る傾向にあるということです。
したがって、3級なら何とか独学での突破が可能な範囲ですが、1、2級の合格を目指すなら、適当な教材や教育機関を利用するのもお薦めです。
ともかく、まずは東京商工会議所のサイトから公式テキストを入手することから始めましょう。
東京商工会議所:ビジネス実務法務検定公式テキスト
また、各商工会議所では受験対策セミナーや通信講座も開講しています。価格設定も比較的低めです。
東京商工会議所:受験対策セミナー
東京商工会議所:ビジネス実務法務検定試験対策通信講座
「ビジネス実務法務検定試験(R)」の効果
仕事に活かせる資格として、人気急上昇中の「ビジネス実務法務検定試験(R)」。合格後、どのくらいの「効果」があるものなのでしょうか?一般的に考えられる「効果」を挙げてみましょう。■その1:ビジネスに必須の法律センスが身につく
記事の冒頭でもお話したように、今や「コンプライアンス」の意識は、企業経営上無視できないものになりつつあります。したがって、そこで働くビジネスパーソン一人一人にも当然、高い法律センスが求められています。
「ビジネス実務法務検定」が測る実務法務の知識は、法務部門はもちろん、営業、人事、経理・財務などあらゆる部門で必要とされ、活用できるもの。いわばビジネスパーソンに欠かせない基礎力強化に威力を発揮することは間違いありません。
■その2:企業内でのキャリアアップに効く
「ビジネス実務法務検定」は、もともと実務的な法律知識を持った人材を求める企業のニーズに応えて、東京商工会議所がスタートしたもの。そのせいか1998年創設という歴史の短さから比して、企業での知名度、評価が割合高いのが、この検定の特徴と言って良いでしょう。その評価の現れのひとつが、提携企業の多さ。公式サイトによると、トヨタ自動車や伊藤忠商事、電通といった有名企業が名を連ねており、ビジネス実務法務検定試験を社内資格化したり、人事異動や採用の際の能力評価の参考にする企業も増加中とのこと。
社内での評価が高い資格を取るということは、即ち自分自身の評価を上げることにもつながります。特に、自社の取得推奨資格として「ビジネス実務法務検定」が挙がっているという人は、積極的にチャレンジしてみては?
■その3:他の法律系資格へのステップになる
いずれは、難関法律系資格に挑戦したい!という人にとっても、「ビジネス実務法務検定」は効果を発揮します。試験範囲として民法、商法、労働法、刑法、民事訴訟法、PL法、国際法、著作権法、特許法など、幅広い分野を網羅している「ビジネス実務法務検定」は、司法書士や弁理士など、他の法律系資格の受験準備として役立つ可能性が大。例えば、2級は司法書士、弁理士など、3級は行政書士、社労士などの基礎知識を蓄えるためにはうってつけの内容です。
他資格と比べると、年2回の実施(1級は1回)で受けやすい点も魅力。法律のエキスパートとしてのステップアップを目指すなら、注目しておきたいところです。
■その4:就・転職に効く!但し経験があれば……
毎回触れていることですが、「経験優先」の転職市場では、どんなに人気の定番資格と言えども「実務経験」のアピール度には及びません。それは、「ビジネス実務検定」とて同じこと。特に法律系資格には、弁護士や弁理士など、それがなければ業務ができない「業務独占資格」や、資格が無ければ名乗ることができない「名称独占資格」が多いため、資格のインパクトという意味では、どうしても見劣りすることは否めません。
求人情報サイトなどのフリーワード検索を使って「ビジネス実務法務検定」関連の求人を検索でも、企業の知財・法務部門での求人情報がちらほら見受けられる程度。しかも、ここで求められるのは「2級以上」の法律知識です。
「ビジネス実務法務検定」を就・転職に活かすなら、やはり2級以上に挑戦したいものです。
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