資格・検定/資格アーカイブ

ほんとに知ってる?定番資格【簿記編】(5ページ目)

皆さんがよくご存知のいわゆる「定番資格」を様々な角度から再度検証します。第1弾はおなじみ「簿記検定」です。概要、対策、効果など、「簿記」の全てをあらためて確認してください!

いぬかい はづき

執筆者:いぬかい はづき

仕事に活かせる資格ガイド

「簿記検定」の効果

「仕事に活かせる資格」のイメージが定着している「簿記検定」。合格後、どのくらいの「効果」があるものなのでしょうか?一般的に考えられる「効果」を挙げてみましょう。

■その1:合格すればこんな特典が!
1級合格者に税理士資格の受験資格が与えられることは、比較的知られていますが、その他にも下記のような「特典」があります。
1級 ・税理士の受験資格が与えられる
・職業能力開発促進法の指導員資格試験において、事務員の試験科目が一部免除される
2級 ・大学・短大入試での優遇がある(各校による)※注
・授業料全額免除の対象となる(群馬県:前橋国際大学)
3級 大学入学資格検定(大検)で「簿記会計」の科目が免除される
※注:大学・短大の入学基準・優遇となる商工会議所の検定試験参照のこと

■その2:就・転職に効く!但し経験があれば……
雇用市場に詳しい人材バンク・コーディネーターに、資格の効果について伺った幣記事「『転職に効く資格』ホントの実力」。この中で、「簿記1、2級」の効果は、以下のように述べられています。

経理職は、やはり資格より実務経験が優先されます。2級は書類審査での合否の目安として使われることが多いですね。「せめて2級は欲しい」と。1級は、実務経験が不足している場合の補完材料として有効です。たとえば「経験3年以上」という条件の求人に対して2年しか経験がないといった場合、1級を取得していれば採用される確率は高まります。

営業事務に関しては、2級をもっていれば有利になることがあります。「簿記はつぶしが効く」というイメージを持たれがちですが、実際のところ簿記資格が評価される職種は、経理・営業事務くらいですね。


「簿記検定」を仕事に活かせる「万能資格」のように捉えていた方にとっては、何ともショッキングな話。しかし、経理・営業事務の実務経験がある方であれば、取っておいて損は無い、むしろ「取るべき資格」と言って良いでしょう。
そもそも検定試験の目的は、ある分野の知識・スキルの習熟度を測ること。簿記検定も例外ではありません。いくらスキルがあっても、そのレベルを的確に第三者に伝えるとなるとなかなか難しいものですが、「検定合格」によってこれまでの経験の広さ・深さを客観的に証明でき、且つ、専門職として積極的にスキルアップを図るモチベーションの高さもアピールできる、これが「簿記検定」最大の効果と言えます。

■その3:ビジネスパーソンとしての基礎力アップ
さて、それでは経理未経験という方には、「簿記検定」の効果は無いのでしょうか?答えは、もちろんノーです。前述の通り、あらゆるビジネスシーンで計数感覚が必要とされる昨今、簿記を学ぶことによって習得できる経営管理能力や分析力は、ビジネスパーソンの基礎力強化に欠かせないもの。特に、現在管理職に就いている、あるいは将来的にマネジメント層を目指したいなら、必ず役に立つでしょう。もちろん仕事だけでなく、家計管理に使ってもOKです。

また、未経験ながら「検定合格」を機に、経理職にキャリアチェンジをしたい!と考える方もいらっしゃるはず。経理の世界は「資格<経験」であることは間違いありませんが、可能性はゼロとは言えません。「転職するなら資格はこう売れ!」でもご紹介したように、この場合はアピールの仕方がカギとなります。つまり「簿記検定○級」というだけでなく、簿記を学ぶ過程で感じた「数字を扱うこと」への興味や適性、習得した知識なども具体的に伝えていくことが必要なのです。

>>「簿記」関連の資格は「日商簿記」だけではありません。次ページで、その他のお薦め資格をご紹介しましょう!
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