経理・会計系の資格として人気の資格と言えばUSCPA(米国公認会計士)。
2004年4月からは試験がコンピュータ化、科目ごとの受験が可能になった他、従来5月と10月の年2回の実施だったものが、最大年4回まで受験が可能となりました。(注:運営自体は各州ごとに行われるため、受験ルールが州によって異なる可能性はあります)
この試験制度変更によって、受験機会も増加、より受けやすくなったことで、USCPA人気が高まる可能性十分。しかし、そんな変化の中だからこそ、いぬかいはあえて「ちょっと待った」と言いたい。
「仕事に活かせる資格」としてUSCPA取得を目指すあなたなら、まず、何のためにUSCPAを取るのか、そして資格をどのように活用したいのかを考えて欲しいのです。
どんな資格でも、「何のための資格か」を意識することが大切なのは「資格を取ってその先どうする」でもお話したとおり。何も、USCPAに限ったことではありません。それでも、今回特に「何のためのUSCPAか」「どのように活用したいか」にポイントを置くのは、USCPAにこんな特色があるからなのです。
▼まずは「USCPA」の特色をチェック!
◆「USCPA」の特色◆
●日本国内では「独占資格」ではない |
●日本国内では「USCPA」さえ取ればこの仕事に就ける!という領域・職種が無い |
●資格取得の難易度はそれなりに高い |
●日本国内では「独占資格」ではない
本国アメリカではともかく、日本ではUSCPAは「独占資格」ではありません。したがって、日本の公認会計士と同じように考えて取得を目指すと痛い目に合うはず。「独占資格」であり、監査業務という「独占業務」を持つ公認会計士と、日本では「独占業務」を持たないUSCPAでは、自ずとその「資格の効果」が違ってくるからです。
●日本国内では「USCPA」さえ取ればこの仕事に就ける!という領域・職種が無い
「独占業務」を持たないということは、USCPAさえ取ればこの仕事に就ける!という領域・職種が無い、一定のキャリアパスが無い、ということを意味します。USCPAを使って転職したい、キャリアチェンジしたいという方は、特に注意が必要な点です。
●資格取得の難易度はそれなりに高い
「独占業務」を持たず、確実な就職が約束されていないにもかかわらず、受験資格として、大学での会計学などの単位数修得が問われるなど、取得へのハードルは決して低くはありません。また、わざわざ渡米して受験することを考えると、もちろんコストも手間もかかります。予備校利用、渡航費用を合わせると、その費用は100万円程度とも。
これらの特色を踏まえた上で、「それでもUSCPAを狙う」のであれば、資格取得後どのように「仕事に活かせる資格」にするのか、きちんとプランニングをしておくことが必要不可欠。さもないと、せっかくかけた時間、コスト、労力も無駄になる可能性が大、ということなのです。
→「それでもUSCPAを狙う」なら、何ができるか、何がしたいかをしっかり考えよう!次ページで、USCPA取得者が活躍できると考えられる領域・職種を整理します。