▼MBAが「宝の持ち腐れ」になるとき
まず、認識しておいてほしいのが「MBAは『資格』ではない」ということです。言ってしまえば、単なる「学位」なのです。
たとえば、公認会計士や弁護士のような独占資格では、その資格を持っていればある一定の仕事について「専門家」としての業務を行うことができます。
しかし、単に「学位」であるMBAは、いくら「持っている」と胸を張っても、それによって自動的に「独占業務」が生じるわけではないのです。したがって、「MBAを持っています」といっても「あ、そう。で?」と企業側に言われてしまうことはあり得ます。
もちろん、MBAで学ぶ財務、マーケティングなどの「即戦力」の知識は、企業側のニーズが高いものではあるでしょう。しかし、企業は「学位」を求めているわけではありません。その点を勘違いしていると、「高いお金をかけてMBAを取ったけど…」ということにもなりかねません。
次に、国内でもMBAが取れるようになり、MBA取得の「選択肢が増えた」ことで、逆に、「選択肢の優劣の見極め」が必要になってきました。つまり、「どこで学んだか」によって、同じMBAでも「仕事に活かせる」度合いが変わるということです。
MBAはビジネススクールで開講されまするが、特にアメリカのビジネススクールには、非常に詳細かつ固定的な「ランク」があり、「○○大学のビジネススクールで学んだ人のみ」という求人さえあります。海外でMBAを活かして仕事をしようとするならば、特に「どこで学ぶか」は最重要項目になってくるわけです。
一方、日本のビジネススクールはといえば、学生の「質」が問題になっています。「ブーム」に乗っかるべく、「とりあえずMBAでも」という学生が見受けられることは、企業の側も承知しています。したがって、企業としては、「○○大学のMBAホルダー」という視点ではなく、「その人がどのような経験をしているか、スキル・知識を身につけているか」という視点で採用の判断をすることになっていくでしょう。
以上のことを踏まえると、単に「MBAを持っています」ではすまないということが容易に想像できます。「どうすれば仕事に活かせるMBAをとれるか」を考える必要があるのです。
それでは最後に、「どうすれば『仕事に活かせる』MBAを取ることができるのか」考えてみましょう。