金景太さんお薦めの韓国語学習法は?
「楽しみながら学習する工夫を!」と訴える金景太さん |
初心者の方というと、やっとハングル文字が読めるくらいの韓国語の学習を始めたばかりの方でしょうか。そうですね、僕が韓国の小学校に入ったときのことですが、国語の授業で行うパダスギ(받아쓰기/聞き取ったものを書くこと)が、とにかくできなかったんです。韓国に来たばかりでしたから周りと差があったんですよね。けれど、地道に頑張って、ハングルが少しずつ書けるようになっていくと同時に、言葉も増え、会話にも自信がついていきました。
ですので、韓国語の学習を始められた方は、ただ漠然と韓国ドラマを観たり、K-POPを聴いたりするだけではなく、ドラマのセリフ、歌、なんでも構わないので「あ、この単語気になる」と思ったら、一つでもそれを書いて(パダスギして)みたりすると良いのではないでしょうか。そのために、よく知っているドラマを字幕無しで観て、単語を一つ、二つと書き取ってみるのも良いと思いますよ。字幕があると、どうしても字幕に目がいってしまって、耳をそばだてることをしなくなりますから。
Q:「楽しみながら学習する」ためには、どうしたら良いでしょうか?
「勉強」となると、億劫になりますよね。僕も勉強がきらいなのでよく分かります(笑)。やはり、学習の中に「楽しみ」を入れるのはポイントですよね。
僕の母は、韓国に渡ってから一人で、独学で韓国語の勉強をしたそうですが、「‘しりとり’式」に語彙を増やしたと言っていましたよ。漢字語の共通点を探して、「社会(사회)」、「会計(회계)」、「計算(계산)」、「算数(산수)」など、しりとり式で単語を増やしていく、ということですね。この方法だったらゲーム感覚で単語が増やせると思います。
旅行会話本などはちょっと薦められないですね……。いくつかのフレーズを覚えて、言ってそれで終わりになってしまいますから。できれば電子辞書を持って、自分が言いたいことを一から調べていくようにしたら良いと思います。
例えば、「トイレはどこですか?」と尋ねたいとします。「トイレ」で辞書を引くと、「화장실(ファジャンシル)」。まずは、「ファジャンシル?」と言うだけでも通じる。自分が言いたいことを調べ、自分の言葉として発することが大事です!
次は、「トイレ、どこ?」と言ってみたい。「どこ」を辞書で調べると「어디(オディ)」。文法は、日本語とほぼ同じなので、「화장실 어디?(ファジャンシル オディ)」でも十分なわけです。
「ファジャンシル オディ」、で通じたら、「トイレは」の「は」は? と調べていく、こうして言葉を増やしていくと、印象に残るから覚えるし、応用が利くんです。旅行会話本などのカタカナ丸暗記より、長い目で見れば断然良いと思います。
Q:韓国語の中級レベルを目指す方に、何かアドヴァイスを
中級ですか……中級レベルに到達するためには、まず単語を増やせば良いのでは。少し話せてどこかで満足してしまうと、そこで終わってしまいます。それと、書くことを怠ってはいけないと思います。韓国語の学習を始めたときのような初心に返って、新鮮な気持ちで常に取り組むべきだと思いますね。
けれど、僕が高校時代に英語を勉強するとき、先生から「単語を覚えろ覚えろ」とひたすら言われたときは、正直言って嫌でしたね(笑)。ですから、そのとき僕は、なるべく覚えやすい方法で英単語を覚える工夫をしました。英語の辞書を開きます。例えば「receipt(レシート、領収書)」という単語が出てきたとします。その意味を調べて満足するのではなく、「receive(受け取る)」、「reception(受領、接待、レセプション)」など、関連性のある単語を一気に覚えてしまうんです。
韓国語にしても、例えば「사진(サジン/写真)」、「사진기(サジンギ/写真機、カメラ)」など写真に関する単語を「芋づる式」に覚えていく。やはり何事も工夫しないと、ですね。グループで勉強ができるなら、韓国語しりとり大会をして、勝った人にみんなでおごるとか、そんな風にすると面白いですよね。
次ページでは、金景太さんに「韓国人の友達を作る方法」をお伺いします!