【昔と比べてどう変わったか?】
英検といえば、昔は英語検定の総本山の感がありました。権威も高く、英検1級と言えば、英語の神様のように思えたものです。いわゆる受験英語のように少ない範囲の単語を使って難解な文章を作り出す独自の世界とは違って、実用に即した英語力を測る資格試験として資格の世界に君臨していたのです。
最近は、同じく実用的な英語の資格試験としてTOEICのような本家本元である米国の試験が普及しはじめた事もあり、少し影が薄くなったようにも見えます。それでも、文部科学省認定のお墨付があり、国内での知名度・権威は絶大です。合格者に対しては、国内の学校法人などでの優遇も受けられます。

【英検合格者への優遇措置とは?】

◆入試の優遇
学校によって異なりますが、幅広い高校・短大・大学において、入学試験の学科免除・加点などの優遇措置が受けられます。入試の優遇を行っている学校は、全国で約1200校近くにもなります。

◆単位認定
また、大学によては所有している級に応じて単位が認定されます。たとえば、お茶の水大学や桜美林大学では1級に対して8単位。準1級に対して6単位を与えています。こういった単位優遇校は、全国に約740校あります。

◆教員試験への優遇
ほとんどの都道府県で、教員試験の資格要件として英検資格の保有をあげるか、英検合格者に対する優遇を行っています。

◆米国大学入学資格
100を超える米国のカレッジ・大学で、英検が英語の入学資格として認められています。事情は大学によって異なるため、個別に条件を見る必要があります。ハワイ州立大学の例では、進学準備英語集中プログラムへの入学は英検2級を、正規学部への入学は英検準1級を要求しています。

【問題の傾向】
最新の1級問題集を開いてみて驚いたのですが、リスニングが大きな大きな割合を占めているらしく、CDが付属しています。語彙問題も、空欄を4つの選択枝の中から選ぶもので、まるでTOEICかTOEFLのようです。
ただ、出題されている単語自体は馴染みの薄いものばかりで、難度は高いと思います。

【合格率が上がっている?】
2002年度の1級から5級までの総受験者約266万人に対して合格者総数は約132万人で、合格率は50%を切っています。2004年度は、受験者総数が約249万人と僅かならがら減少しているのに対して、合格者総数は変わらず約132万人でした。合格率は53%と僅かに上がっています。
もっとも、これは全ての級の合計ですから、級ごとに事情は異なります。確かに1級は7.8%から9.7%に上がっていますが、2級は両方とも約22%と変わりません。それでも全般的に合格率自体は上がっていると言えそうです。

【英検の将来】
TOEICをはじめ、これだけ英語関連の資格が氾濫している中で今でも最も権威ある資格の地位を保っているのは立派だと思います。ただ、受験者総数は僅かながら年々減少しており、全てがばら色というわけにはいかないようです。また、米国の大学入学基準として採用されるとなると、本家のTOEICとどう違うのか?が不明確になってきます。今後は、英検らしさを追求して日本における英語検定としての意義を明確してゆけば、より優れた検定試験になると思います。
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