TOEICは、(Test of English for International Communication)の略で、米国の公共機構であるETS(Educational Testing Service)が開発した英語による国際コミュニケーション能力を測定するためのテストシステムです。
これは学校教育が目指す知識重視の語学教育と異なり、英語を使ってどれだけのことがコミュニケートできるかを測るもので、単語などの「知識」はそのままでは役に立ちません。英語の運用能力が問われるのです。
どの位のスコアがどのレベルに相当するのかをご紹介しましょう。
レベルA : 860点以上
Non-Nativeとして十分なコミュニケーション能力を持っている。
レベルB : 860~730点
どんな状況でも適切なコミュニケーションが出来る素地を備えている。
レベルC : 730~470点
日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションが出来る。
レベルD : 470~220点
通常会話で最低限のコミュニケーションが出来る。
昇進・昇格にこのTOEICスコアを必須とする制度が日本企業の間に広まり初めています。日本企業のグローバル化とともに、英語によるコミュニケーション能力が、業務を遂行する上で必須となりつつある現実を物語っていると言えるでしょう。
例えば、日本IBM社の場合;
次長以上 TOEIC 730点以上
課長以上 TOEIC 600点以上
を昇進の条件としています。この制度はすでに2001年3月から導入されているのです。「IBMは米国系の企業だからだろう、自分は日本の企業に勤めているから大丈夫。」と考えるのは早計というもの。
以下にご紹介するのは全て日本の企業です;
トヨタ自動車 :
係長以上 : TOEIC 600点以上 1999年より実施済
松下電器産業 :
主任 : TOEIC 450点以上 2001年より実施
旭ガラス :
課長補佐 : TOEIC 470点以上 1988年より実施済
帝人 :
課長級以上 TOEIC 500点以上 1997年より実施済
日本精工 :
係長、課長 TOEIC 500点以上 2001年より実施
また、TOEICスコアに対して報奨金を支給する企業もあります。
沖電気工業 :
730点以上 2万円
865点以上 5万円
筆者が以前勤めていた国内の大手情報処理会社では、英会話を習いに行く学習費用を会社が支払うという制度がありました。半年ごとに英語力が上がっていれば、次の半年分の学費を支払うというもので半年ごとの英語力上昇を判定するためにTOEICが使われていました。
次の半年分、学費を支払ってもらうにはスコア100点アップ以上が条件でした。筆者はこの制度を使って2回スコアアップに成功し、最初の半年を含めるとトータルで1年半分の学資を会社からゲットしました。
ちなみに、筆者が得たTOEICスコアは最高で830点。このの制度を利用して勉強した成果といえます。最初に英会話学校に入る前は500点以下でしたから。
TOEICは、英検のように合格するか落ちるかという判定ではなく、自分の客観的な英語力を990点満点の得点で知ることが出来ます。
英語によるコミュニケーション能力が上昇していなければ何度受験しても同じようなスコアしか得ることは出来ません。
TOEIC受験勉強というのは、教本によるというより、日々英語による会話・英語のニュースを聞く・英字新聞を読む・英語の広告を読む・英語による説明書を読むなど、とにかく英語を使うことであり、大学受験などより余程楽しく、役に立つと思われます。
先程ご紹介した日本IBMでは、新入社員にもTOEICの受験を義務化していますが、学生時代に730点以上のTOEICスコアを取得している者に対してはこれを免除していると言います。
当然、就職の際もそれなりの効果があるのではないでしょうか?
就職・昇進に効果のあるTOEIC。まだ受けたことが無いという方は、自分の英語コミュニケーション能力を知るためにも一度受験されてみてはいかがでしょうか?
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