フランス/フランスの観光・世界遺産

池、睡蓮、終の棲家ジヴェルニー モネの足跡をたどる(その3)(3ページ目)

落ち着いたピンクの館、広々とした花壇に咲き誇る季節の花々。道を渡れば、あの睡蓮の浮かぶ日本風庭園。功成り名を遂げた印象派の画家モネがついにたどり着いた理想のモチーフ。あなたもノルマンディの静かな村ジヴェルニーのモネの庭をのぞいて見ませんか。

執筆者:赤木 滋生

ジヴェルニーからルーアンへ

睡蓮のジヴェルニーからノートルダム大聖堂のルーアンまでは50キロ足らず。高速を飛ばせば30分程で着いてしまいます。しかし、実はこのセーヌ川沿いのノルマンディ地方は城や砦の宝庫でもあり、ゆったりと蛇行する川の景色には、モネならずとも強く引かれるに違いありません。川のほとりをのんびり走ればポプラ並木。その間にはぽっかりと緑の芝生が広がっています。山の上を見上げてみれば古い城砦が見えます。

こうなるともう旅程なんてどうでも良くなります。お店に寄ってチーズや生ハム、サンドイッチとワインなどを仕入れ、ところどころにある空いたテーブルに陣取りピクニックとしゃれこみましょう。セーヌの川面とポプラの木陰、山の上には古城。絶景ですね、などと景色を眺めつつワインを楽しみながらふと考えると、不思議なことに、このような名所を主題にしたモネの作品があまり見当たら無いことに気がつきます。

そういえばジヴェルニーに居を構えた後もモネは新たなモチーフを求め、ノルマンディからブルターニュを旅行しますが、あの名高いモン・サン・ミッシェルにも立ち寄ったにもかかわらず彼のモチーベーションが掻き立てられる事も無く、結局ヴァンヌの南、ベル・イル島に留まり海を描きました。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます