防犯/防犯小説

ミセスの危機管理ナビ~男と女の間のウソ(3ページ目)

【連載第2回】泉の危険な出会いに不安を覚える麻季子。泉からかかってきた電話は、やはり相手の男が信用できないとしか思えない内容だった。夫の春彦とは出会い系サイトについて語り合う。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

「出会い系サイト」絡みの事件

春彦に付き合う
春彦に付き合う
春彦に軽い食事を用意して、麻季子もビールに少し付き合うことにした。

「なんか飲まずにいられなくって」
「なんで?」
「うーん、まあ、ちょっとね。ねえ、『出会い系サイト』って、たいてい未成年者を買春したってことでおとなが捕まったって話じゃない。でも実際にはもっと表に出てこない事件が起きてるわよね、きっと」
「なんだいきなり。出会い系サイト? まあ、いろんな事件があるよな。殺すつもりはなくても相手が死んじゃったとか」
「それでホテルとかに放置したまま逃走しちゃうってケースね。それって最悪~」

「だな。それとたとえば、飲み物に睡眠薬を入れて相手を眠らせて、その間に金を盗むってヤツ。これは女ならヤラレちゃうってことも含むな」
「コワッ。でも、殺人の次っていうとやっぱり暴力?」
「だいたい密室だろ。何をされるか分からないんだから、特に女は力では男にかなわないんだから危険だよな。届け出はされていなくても実際にはけっこう起きてんじゃない。双方合意の上のSMならいざ知らず。ボコボコにされて強姦されて縛られて撮影されて、なんて被害もあるんじゃないかね」

「怖すぎる! あ、でも、昔テレビで観たけど、ホテルに入った後で男に薬品みたいなものをかけられて、顔にやけどみたいな傷あとが残ってしまった女性というのが出てた。男はすぐ逃げちゃったんだって。それでも、自分が売春したってことで警察には届け出なかったって」
「まあ、金が介在していれば男も女も売買春ってことで、被害届は出しにくいだろ。弱点があるからまた事件になりやすいってことだよな」

ふたりの会話
ふたりの会話
「見知らぬ男女が密室に入るってメチャクチャ恐ろしいことね。それに何より、私は病気の点が怖いわ。いろんな感染症があるんだし。よくみんな平気でそういうことができるわよね。自分だけは大丈夫って思うんだろうけど、いったいどういう根拠があって、そう思えるんだか。出会い系でも、中には真面目な付き合いもあるかもとは思うけど」
「結局、働いていると職場と自宅の往復だけで、出会いがないからさ。手っ取り早いだろ」

麻季子も働いていたことがあった。確かに仕事をしているとなかなか出会いがないことは理解できるが…。

「でも、出会いがなければ英会話教室に通うとか、何か趣味の集まりとか習い事でもすれば、そこでまた新しい出会いがあるじゃない。本人のヤル気の問題じゃないの」
「まあ、仕事をしているとなかなかね。それに男女の出会いということでは同じじゃないか? 結婚することもあるだろうし、ヤッただけで別れることもあるだろう」
「確かに。それに相手がストーカーになることも」
「どんな出会いでもあり得るさ」

「となると、あまり出会い系サイトばかりを責められないか。でもやっぱり出会い系って、売買春とか悪の温床になっているようなイメージがあるのよねえ」
「実際それが問題だね。匿名性が高いからだろうし、昔と違って今は、売春にクロウトもシロウトもないっていうか、ボーダーラインがあいまいになってる。テレクラあたりからじゃないかな。シロウトが手軽に売春できるようになったのは。しかし、文明がこれだけ進歩、進化しても、最古の職業である売春は変わらずあるってことがすごいよな」


  • →男も女も、○○師?/あなたの一票/関連防犯ガイド記事……p.4
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