「振り込め詐欺」は聞き返せ! |
「電話をかけられないところにいる」とか言うんですね。でも、こうやって電話をかけてきている、その電話があるんだから、かけられないということはありえない。だから必ず聞き返して「折り返す」と言えばいいんです。そうすれば、まず相手は逃げます。
録音を習慣に!
――逃げる…。電話を切っちゃうんですね。切ってしまえば、それで終わってしまうわけだから。そうです。それ以上もう話しても無駄ですから。別のところにかけるでしょう。それと、次のテープでは、目の見えない方にかかってきた電話だったんですが、「自分は目が見えないので振り込みもできない、妻に相談しなくてはわからない」と言ったんです。そうしたら、それで切れてしまいました。
――ほぉ~。
この方は、目の不自由な方だったので、自分では決められないから奥さんに相談すると言ったので、被害を免れたわけです。それと普段から何か大切なことがあると電話を録音する習慣がついていたんです。それでテープが残っていたんですよ。一般の方も、最近では電話機で簡単に録音できるものがありますから、アヤシイなと思う電話は録音したほうがいいですね。
――日ごろから録音する習慣をつけておけば、いざというときにも役立つはずです。
つい先頃、こちらの研究員の自宅に「お宅のご主人が痴漢で捕まった」という電話が来たそうです。しかし、奥さんが「主人って、ここにもいますけど」と言ったら切れたそうです。せっかくだから、もっと長く話させればよかったのだけど(笑)、やはりシロウトですから。
――あぁ残念でしたね。「ご主人が痴漢」というのは、最近、多発しているケースです。録音できたらよかったですね。
こちらの事務所では来る電話はすべて録音しています。あとでチェックして必要なものは残すんです。やはり録音するということが大事ですね。「振り込め詐欺」も、録音テープがあれば、どこからかけてきているか、だいたい場所も特定できます。どんな部屋からかけているかもわかります。それから「訛り」をチェックすれば犯人の出身地もわかります。詳しいことは著書に書いてありますが。すると犯人像というのがつかめてくるわけです。
――そうした録音テープを警察に持ち込めば、データの蓄積ということになり捜査の役にも立つということになりますね。
そうです。やはり録音することが一番大切だと思いますね。
――それにしても、振り込め詐欺の人たちは心理的に読んでいるというか、よくわかってやっているんですでしょうか。早口でしゃべる、ポイントだけゆっくり話す…。