シティホテル
「そうかぁ。じゃ、どうしたらいいかな」(なんかうるさいこと言い出したなぁ)
「あのー、ちゃんとしたホテルなら」
「ちゃんとしたって、まさか○国ホテルとか?」(そんなこと言われたら困るぜ。勘弁してくれよ)
「ヤダぁ、ふふ。そんなぜいたくは言わないですよ。普通のちゃんとしたシティホテルなら嬉しいんだけど」
「あぁ、なるほど」(アセルぜ)
「場所がそこなら、駅のそばに新しく出来たホテルとかありますよね」
「あー、あの高層の」(あそこならそれほど高くないかな。まぁ何万円か、かかってもめったにないことだし。風俗に行ってもそれくらいかかるって言うしな。援助交際じゃないんだからホテル代にかけたほうが気分はいい。ラブホテルよりは確かに清潔で気持ちもいいし、万一、誰かに見つかっても言い訳ができる。そうだ、シティホテルのほうがよっぽどいい)
「ゴメンナサイ、無理を言って。あの、もしよければ、割り勘でもいいんですけど」
「いや、そんなことはいいよ。キミにそんなことをさせるつもりはないから」(割り勘だなんて、なんというか真面目だな。とにかくそこまでしてオレと会いたいってことだな。これは本気だ)
「いえ、本当に。あまり高かったら」
「大丈夫だよ。クレジットカードもあるし」(いや、待てよ。カードだと後で明細書が送られてくるからな。万が一、妻に見られても困る)
「もしご無理だったら…」
「いや、大丈夫。ちゃんとキャッシュもあるから」(コンビニに行って現金を下ろそう。あ、駅のそばには24時間やってるATMもあったな。大丈夫だ)
「スミマセン…」
「それで、じゃぁ、どうしようか」
「あの、もしよければ、お部屋を予約していただいて、お部屋でお待ちいただくというのは」
「えっ? そんなことでいいの?」(なんだよ。それじゃ、もし来なかったら丸損じゃないか)
「だって、もし誰かに見られたら困るから」
「そうか。それじゃ、どう連絡したらいいのかな」(連絡先も教えてくれなかったらそれまでだものな)
→携帯電話番号