【連載第1回】出会い系サイト~嘘つきなメール
【連載第2回】出会い系サイト~仕掛けるメール
【連載第3回】出会い系サイト~悪趣味なメール
【連載第4回】出会い系サイト~悪癖の発覚
【連載第5回】出会い系サイト~破滅の連鎖 を先にご覧下さい。
その後の事情と事件の経過について、ある読者との質疑応答の形式で解説します。
裁判の結果
――裁判にかけられたということですが、この男のしたことはただヒドイことだ、と言うだけでは足りないくらい悪質なものですね。盗撮に関しては実に10年近くも行為を続けていたこともわかりました。つまり、筋金入りの盗撮常習者であったのです。夫婦間の不仲からストレス発散のために平成5年頃からビデオカメラを使い女性の下着姿を盗撮するようになっていました。平成8年頃からは仕事上のストレス解消のために100回以上に渡って通勤電車内や商店街等で盗撮を繰り返していたのです。
平成15年2月頃からはインターネット上でデジタルカメラによる盗撮方法を知るに及び、逮捕のきっかけとなったスーパーマーケットや市内のレンタルビデオ店等の公衆トイレ内で個室内の女性の姿態をデジタルカメラで撮影していました。
平成12年頃からは携帯電話のいわゆる“出会い系サイト”を利用して数名の女性と性的関係を持ち、その見返りとして金銭を渡したり、女性の裸体をデジタルカメラで撮影したりしていたのです。
――ただ単純に“盗撮”という犯行だけでなく、未成年と関係を持ったという“淫行”も含むという教育者としては許し難い犯行ですよね。裁判ではどのような結果になったのですか? 懲役などの実刑判決とか?
盗撮行為についてはかなりの常習性が認められ、また被害者の精神的苦痛は大きいものと判断されています。しかも、画像などの記録を削除するなど犯行後の情状も非常に悪質でよろしくない。ましてや教頭という職にあったという点、そうした人物による“淫行”“盗撮”という犯行で社会的な影響は無視できなかったわけです。つまり、この男の刑事責任は非常に重かった。
しかし、公判の過程において、教育関係者、勤務先の学校の保護者等に詫び状を出しているんです。さらに被害者との間で示談が成立した、また謝罪を受け入れるという合意に至っています。懲戒免職という社会的制裁も受けています。また“前科”もありませんでした。そのへんの事情を酌まれて、いわゆる「情状酌量」というものですが、「懲役1年」という判決に「執行猶予4年」ということになりました。
とはいえ、社会的には完全に破滅しましたよね。この男の人生は盗撮事件が発覚したことによって五十歳になる前に終わってしまったようなものでしょう。この男の欲望は徹底的に打ち砕かれ、突然、終止符を打たれたようなものです。まぁまた再犯の可能性もゼロではないでしょうが、恥を知っている人なら二度とできないでしょう。
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