【連載第1回】出会い系サイト~嘘つきなメール
【連載第2回】出会い系サイト~仕掛けるメール
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刑事の来訪
玄関ホールの照明をつけると、ドア横の装飾ガラスの向こうに黒い人影が見えた。サンダルをつっかけて、ドアを開けると背広姿の二人が立っていた。
「はい…」
「あ、夜分に恐れ入ります。ご主人でいらっしゃいますか?」
「はぁ。どなた様で」
「○○警察署のものなんですが」
二人の男性は上着から、警察手帳を取りだして、二つ折りのそれを縦に開いて男のほうに向けた。平成14年10月1日から67年ぶりに新型になったものである。男は顔をしかめて突き出すようにしてそれをのぞいた。上部に顔写真と下には警察のバッジがついている。
「はぁ。なんだかFBIみたいですね」
余裕のあるところを見せて笑おうとしたが、かえって頬がこわばった。後頭部がキーンとして誰かにつかまれているように感じる。刑事は目を男に向けたまま、男の言葉を無視して警察手帳をしまうと、玄関脇のカーポートにある白い乗用車を手で示して言った。
「あの車はご主人のものですね」
「ええ、私の車です」
「今日の夕方、×○町のスーパーマーケットに行かれたのはご主人で」
「はぁ、ちょっと酒のつまみを買いにスーパーには行きましたが」
(来た!)
と、男は頭の中で思っていた。
(だが、証拠はない。大丈夫だ)
そう考えると気分が落ち着いた。刑事はかすかに頷きながら、
「実はちょっとした事件がありましてね」
と、いうと自分の顎をなでるようにした。
→任意事情聴取
→→盗撮疑惑
→→→防犯カメラ
→→→→逮捕!そして、再逮捕!