防犯/防犯小説

【連載第4回】男の“悪癖”が発覚。逃走した男は… 出会い系サイト~悪癖の発覚(2ページ目)

[4/6]ある男が秘密の行為の最中に、相手の女性に犯行を気づかれた。必死で逃走した男は証拠の隠滅を計る。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

発 覚!

手首を少しひねり、予測した角度でシャッターを押した。そして、急いでデジカメと手を抜きだして、元の奥の個室に入った。わざと音をたててドアを開け閉めした。隣の個室から女性が出る気配がしたところで、トイレットペーパーをホルダーの音を立てて巻き取り、足でペダルを踏んで水を流した。

洗面所で水を使う音がして、やがてミュールの靴音がしたと思うと、また店内の喧噪が聞こえて、そして消えた。
(バレていない)
男はふぅーっと大きく息を吐いた。

再生ボタンを押して、モニタを確認する。(ふぅん。30前という感じかな?)モニタに映る女性を眺めながら、勝手な想像をした。するとまた、店内の音が大きくなった。ハッと緊張して耳を澄ます。しかし、重そうなゴム底の靴音だ。男性が入ってきたのだ。

肩をすくめて、足でペダルを踏んだ。女性が出てくると思って、男性は急いでドアを開けて出ていったようだった。また、個室内でジッと待つ。その待っている時間というのも、色々な想像をめぐらしていられるので、男にとっては好きな時間だった。

カメラを用意しつつ耳を済ますが、店内の音はドア越しに遠く聞こえるだけだ。時折、高齢の女性や子供連れの女性などは入ってきたが、若い女性の足音は聞こえてこなかった。もう少し、もう少しと思っている間に1時間近く経過していた。(今日はもうダメか)と、あきらめて人気のない時間を選んでトイレを出た。

店の中を歩きながら、(チッ)と舌打ちしていた。たいして欲しくもないが酒のつまみをいくつか見繕ってレジに行った。しかし、なぜかその日は、それで帰る気になれなかった。レジ袋を下げながら、また、何気ない風を装って、商品を見ているふりをしながらトイレの使用状況を見計らっていると、ちょうど男性が出てきたのと入れ違いに、若い女性店員が入って行ったのが見えた。と、思った瞬間に足はトイレに向かっていた。

まよわずトイレに入った。そして、左ポケットにあるデジカメのスイッチをオンにして、フラッシュがたかれないようにだけチェックすると、急いでカメラをドア下のすき間に差し込んだ。シャッターを押す。その日の収穫が少なかったので、つい連写をした。すると、突然、

「ちょっと!」

と、個室の中から大きな声が聞こえた。驚いて、手を抜き出そうとするときにドアにカメラが引っかかった。あわてて立ち上がり、思わずカメラを見てしまい、それから急いでトイレを出ようとした。と、そのときには、個室から女性店員が飛び出してきていた。


→逃 走
→→証拠隠滅


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