窓からの恐い夢~前編を先にご覧下さい。
刑事の来訪
やってきた刑事に |
「昨年の夏のことなんですが」
「はぁ」
「○月△日の深夜にですね、何か変わったことがあったかどうか覚えていませんか」
「えっ?」
「覚えていないでしょうか。お隣で何か物音がしたとか」
「いや、そんな○月△日と急に言われても…」
「そうですよねー。何か日記をつけていらっしゃるとか、手帳とかで、去年のこと、わかりませんかね」
「日記はつけてないです。でも、手帳ならありますけど。ところで、お隣って、どちらのほうですか」
A菜の部屋は端から2番目で両隣に部屋がある。
「奥の201号室なんですが」
「あ、そうなんですか。でも、あの、お隣は引っ越されてますよね、去年。今はどなたも住んでいらっしゃらない…」
「ええ。昨年の夏まで住んでいた方がいましたよね。その方のことなんですが」
「ちょっとお待ち下さい」
ある種の予感がしながら、昨年の手帳を取りだしてきた。201号室は、昨年夏に突然、引っ越していたのである。あいさつもなく、急にいなくなったので不思議に思っていたのだった。
「○月△日というと…」
と言って手帳に目を落としたまま、黙り込んでしまった。
「といっても、実際には日付が変わった後なので、翌日になりますがね。何か覚えがありますか」
A菜は、しばらく黙っていた後、ようやく口を開いた。
→予 感 2p
→→夢ではなく現実/窓は開け放さないこと!3p