防犯/防犯関連情報

「万引き」イコール「窃盗犯」(2ページ目)

「万引き」は大きな社会問題。万引きは「窃盗」犯罪です。子どもから大人まで万引き犯人だらけでいいのでしょうか? 徹底した教育と、自衛策が必要とされています。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

万引きの先行き

たしかに、役人が公金を横領するという事件も多く、侵入盗難被害も多発しており、世の中には「泥棒が多い」と言えそうです。金額が多額であろうと少額であろうと、「泥棒は泥棒」です。少額なら許される、あるいは(安いものだから、低価格品だから)、(他の人もやっている)などと、自分で勝手に許されると思いこんでいるような人が多いとなると、大変な問題です。

子どもが盗み、大人が居直り、高齢者が生活のために万引きをする…。泥棒が多い国、泥棒が多い国民などということでいいのでしょうか? どこの国にも泥棒はいるものですが、国によっては「盗みをすれば手を切断する」などというくらい、盗みは重大な罪なのです。

自分のものを盗まれたことのある人には、泥棒に対してどんな気持ちがするかわかるでしょう。不愉快で腹が立って、泥棒を憎みたくなります。普通なら、「自分のものを盗まれるというのは、こんなにいやなこと」と思えば、人のものなど盗まないはずです。

中には(自分が盗まれたのだから、自分も盗みかえす)という気持ちになる人もいるかもしれませんが、そうして自分の盗みを正当化しようとしても言い訳にはなりません。「人のものを盗むのは犯罪」なのですから、問答無用です。

親の役割

家庭で、学校で、「盗んではいけない」ということを徹底させなければなりません。親としては、「自分の子どもはそんなことはしない、ちゃんとわかっているはず」と思いたい気持ちはわかりますが、繰り返ししっかりと言い聞かせたり、先頃の「万引き少年踏切事故死」のケースなどについて、親子で話し合うなどしてみるべきではないでしょうか。

新古書店への持ち込みで換金目的の万引きが多くなっていることも問題です。知らぬ間に買ってあげたことのないものが増えている、あげているお小遣い以上に、金遣いをしているようだ、など、注意すれば気がつくことがあるはずです。

家庭の事情や、子ども心に親に関心を持って欲しい、かまって欲しいなど、様々な要因も考える必要があるでしょう。子どもが捕まって店や警察署に呼び出されて、初めて子どもの犯行に気がつくようでは、親子のコミュニケーションがなっていなかったことになります。

成人している万引き犯人については、容赦は無用と思われます。未成年だから許されるというものでもありませんが、「成人」というのは物事の道理や常識がわかっているとされる年齢の人を言うのですから、分別のつかない小さな子どもでもあるまいし、また小さな子どもですら「盗むのは悪いこと」とわかっているものなのですから、言い訳は通用しません。自らの罪を認め、償いをしなくてはなりません。

生活が苦しいからといっても、同じように生活が苦しい人もたくさんいて、盗まない人の方が多いのですからやはり言い訳にはならないでしょう。

万引き事例私は書店をやっていたときにたくさんの万引きを捕まえました。中でも記憶に残る事例を3つご紹介します。

ケース1.男子小学生

小学校低学年の男の子。コミック本を1冊、Tシャツの下に入れて店内を走って逃げようとしました。子どもなので、その行為を見られていることに気がつかなかったのでしょう。店を出たところで、「チョッと待って」と、一緒に店奥の事務所へ。

常連の感じのいいご家族の一番下の息子さんでした。「どうして、こんなことをしたの?」という問いに、はにかんだように「読みたかったから。ママには言わないで」と、軽く言いました。常連客だし、コミック本1冊だし、「もうしない」と言っている…。正直、悩みました。が、やはり親御さんに伝えるべき、と母親に電話をして店に来てもらいました。

事情を伝えると、「よく言ってくれました。本当に申し訳ありません。二度とこんなことをしないようによく言って聞かせます」とのこと。その後も、お兄ちゃんやお姉ちゃんなど、またご家族でよく買い物に来てくれました。この男の子も二度と万引きをしないようになったでしょう。



→・万引き事例ケース2.女子中学生/親が親なら/ケース3.中年男性
→→・タレントは万引き体験を軽々しく言うべきではない!/万引きをさせない!/法律ワンポイントチェック
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