防犯/防犯関連情報

自分の気持ちを違法・不法行為で晴らそうとする人々 「むしゃくしゃ」の行方

犯罪で捕まった人たちの供述に「むしゃくしゃしたので」という言葉をよく聞きます。誰でも思い通りに行かないことにはむしゃくしゃするでしょうが、不法行為は許されません。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

「むしゃくしゃしたので…」という理由で、許されない行為をする人たちがいます。火をつけたり、物を壊したり、物を盗んだり…。捕まったときに、必ず出てくる言葉です。彼らの「むしゃくしゃ」の行方(ゆくえ)は、さまざまな被害をもたらしています。


ケース1 タイヤをパンクさせた女

平成14年11月13日、京都市内の無職の女(63歳)が、駐車中の乗用車のタイヤをはさみで刺してパンクさせた「器物損壊」の現行犯で逮捕されました。容疑者の自宅付近ではこの夏以降、同じような被害が続き、約50件の被害届が出ていたため、警察では余罪を追及しています。

この容疑者は「自分の夫や息子が車を持っていないのに、近所の人が持っているのを見てむしゃくしゃした」と供述。近所づきあいがうまくいっていないことも理由にあげています。

刑法第261条(器物損壊)
他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。


ケース2 売り物の食品に針を入れた女

平成14年11月7日、奈良県内のコンビニエンスストアなどで購入されたパンなどの中から、「縫い針」が見つかる事件が相次ぎ、警察が59歳の主婦を逮捕しました。先月3日からこれまでに、付近のコンビニや食料品店で計4回、パンやすしの中から計14本の縫い針が見つかっており、奈良県警では防犯ビデオに映っていたこの容疑者の行動を監視、「偽計業務妨害」容疑で現行犯逮捕したものです。

この容疑者は「むしゃくしゃすることがあり、ストレス解消のために売り物の食品に刺してしまった」と容疑を認めています。

刑法第233条
偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。


ケース3 電線を切った男

平成14年9月11日、愛知県内で、電柱に上り、金具を使って電線をショートさせ、約260世帯を停電させたとして「電気事業法違反(送電妨害)」の容疑で、電気工事会社員の男22歳が逮捕されました。

容疑者の男は「仕事がおもしろくない。彼女との交際がうまくいかず、むしゃくしゃしてやった」と供述しています。今年5月以降、停電が約10件発生しており、この男の犯行の疑いが強いとして追及しています。

大辞林第二版によると、

・むしゃくしゃ→腹立たしくて心が晴れないさま。

・腹が立つ→しゃくにさわる。怒りをおさえかねる。
      物事が気にいらなくて、気持ちがむしゃくしゃする
      ・こと(さま)

・癪に障る(しゃくにさわる)→物事が気にいらなくて不快に思う。

とあります。



→ケース4/ケース5
→→“むしゃくしゃ”は“はた迷惑”/関連ガイド記事リスト

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