これで撃退!ストーカー最強対処術
ストーカー行為等の規制等に関する法律(ストーカー規制法)が平成12年11月24日に施行されてから、ストーカー被害者は警察への相談がしやすくなりました。その結果、警察からの
「警告」等により、ストーカー行為をやめる者が多く、着実に効果を上げています。
ストーカーを取り締まるのは「ストーカー規制法」だけではありません。その行為内容によっては、刑法(脅迫、傷害、住居侵入、強姦、殺人や殺人未遂、逮捕監禁、名誉毀損など)や軽犯罪法、迷惑行為防止条例、銃砲刀剣類所持等取締法違反などでも取り締まることができるのです。
普段の生活においては、なかなか「法律」は身近に感じられないものですが、とくにストーカー被害の危険性があるような場合には、法律を知って、法律を味方にすることで、自分の身の安全を保つことができるのです。
よく「法律なんてあっても役に立たない」という言葉を聞くことがあります。たしかに突然、目の前に刃物を突きつけられたときに「法律がある」といっても相手に聞く耳はないでしょう。しかし、事前に知識を持っておくことで、心構えが出来、危険な状況におちいらないように注意することができるようになります。さらに、万一の際には事態をすみやかに把握して、よりよい対処をすることができるようになるでしょう。
何も知らなければ対処のしようもなく、相談すら出来ずに一人で悩むだけでは事態を悪化させ、後悔するようなことになってしまいます。他人から苦痛や恐怖を味あわされるような理不尽な行為に屈してはいけません。被害に遭う前に、また遭ってしまってからでも、よりよい結果を目指して事態を解決するノウハウを身につけましょう。
この度、私の第4作になります「これで撃退!ストーカー最強対処術」(実業之日本社 税別800円)という本を上梓いたしました。ストーカー対策の基礎知識として、また実際の対処に役立つガイドブックとしてぜひお求め下さい。
警察庁生活安全企画課の広報資料によると、平成13年12月31日までの約1年1ヶ月間に、都道府県警察において取り扱ったストーカー事案のうち、「被害者の性別」は、女性が15,126 人(約89.4% )と、ほぼ10人中9人となっています(被害者が法人、不明である場合を除く)。「行為者の性別」は、男性が13,418人(約 89.4%)と、やはり、ほぼ10人中9人という結果です(行為者が不明の場合を除く)。
これは、被害者の10人中1人が男性であり、行為者の10人中1人は女性であるということになります。実際には、警察に相談せずに我慢している人も多いでしょうから、男性の被害者の数はもう少し多いのではないかと思われます。
動機は、「好意の感情によるもの」が7,462 件(約54.2% )でもっとも多く、次に
「好意の感情が満たされなかったことに対する怨恨の感情」5,355 件(約38.9%)で、
動機が不明なものを除くと「好意の感情に端を発するもの(規制法の目的要件に該当するもの)」が約93.1%と大半を占めています。
人から好かれること、好意を持たれることは悪いことではないものの、望まない相手であり、なおかつ「つきまとい・待ち伏せ・押し掛け」等の行為や、「無言電話・連続した電話」や「面会・交際の要求」があれば、迷惑以外の何ものでもなく、苦痛や恐怖を感じるようであれば、それは明らかに「ストーカー被害」といえるのです。
次のページには、被害の概要を記載してあります。