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雨の日には、あちこちに傘の忘れ物があります。 ひと雨500本?

梅雨時、必携の傘ですが、うっかりどこかに忘れてしまうことがあります。また、置いたつもりの傘がいつの間にかなくなっていることも。忘れ物ナンバーワンの傘について。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

忘れ物ナンバーワン

梅雨のこの時期、忘れ物ナンバーワン、のみならず年間の遺失物の中でも、第2位衣類、第3位財布類、第4位カード・証明書類、第5位電気製品類を抜いて第1位は傘です。(東京都・平成13年警視庁)

電車内のシートのポール部分にかけたままだったり、ドア横に立てかけてそのまま…と、大都市の鉄道では「ひと雨500本」と言われるように、雨の日、とくに降った後やんだときなどには非常に多くの忘れ傘が見受けられます。1本500円のビニール傘や最近では100円ショップでも立派な傘を売っており、消耗品あるいはなくしても仕方がない物、という感じでしょうか。


おしゃれな人はビニール傘が数十本は買えそうな高価な傘を持っていることもあるようです。大多数は骨が8本の普通の傘ですが、最近では骨が16本ある丈夫で見た目も美しい傘もあります。女性向けの日傘兼用などもあり、時期的には必携品です。

日本国内の傘の消費量は約1億3千万本。毎年、国民一人1本を購入していることになるのです。そのうち約1億本は中国、台湾、東南アジアからの輸入です。

ボロい傘ならあきらめもつくけれど、買ったばかり、あるいはお気に入りの傘をなくしたときはショックも大きいものです。また、なぜか安物はなくさないのに、いい傘ばかりなくしてしまう、という傾向もあるのではないでしょうか。うっかりどこかに忘れてきても、忘れた場所すら思い出せずにそのままあきらめる人が多いようです。

平成13年度東京都の場合、拾得届のあった点数(324,102)に対して、遺失届の点数(2,375)はわずか0.73%にとどまっています。なくして届け出る人は拾って届け出る人千人に対してわずか7人程度でしかないのです。

「傘は戻っては来ない」「誰かに持って行かれてしまっただろう」という認識なのでしょう。住所氏名を書いてあるわけでもない、誰かが自分の傘と思われる傘を持っていたとしても、証明することも困難で「それは自分の傘です。返して下さい」とも言えず、あきらめてしまうのでしょう。

届けられた傘はどうなるの?

拾得物として届け出られた傘はどうなるのでしょうか? なくした人(遺失者)に返還されるのはわずか約0.28%。千人のうち2人か3人しか自分の傘を取り返していないのです。約5%は東京都に帰属して、競売にかけられるなどしています。

大多数の94.67%、約95%は拾得者に引き渡されています。傘の忘れ物を届け出る人は、95%の人が一定期間を過ぎて拾得者の物になるということで引き取っているわけです。傘といえど交番などに届け出るようなマメな人は、受け取るのもしっかりとマメなのですね。

自分の傘はよくなくす、では、誰の物かわからない傘を自分の物にしてしまうことは? 安いビニール傘なら罪悪感が少ないかもしれませんが、「ささやかなネコババ」でもお伝えしたように、やはり「遺失物横領」になります。

上記の数字はあくまでも届け出のあった傘についてです。届け出されない数字はいったいどれくらいになるものなのでしょうか。

傘の忘れ時

なくさないために、乗り物を下車する際には今一度持ち物を確認する、席を立った後は周囲を見回すようにしましょう。

また、切符を買う、電話をかける、買い物をする、などの動作の際に、忘れることが多いようです。ちょっとそばに置くなど、手から離したときが忘れ時です。
この時期、なくしやすい携行品として、注意してお持ち下さい。


※「ひと雨500本」とは、駅などに拾得物として届け出られて、まとめて警察の遺失物係に届けられる数字を大まかにいったものです。


※先頃、発生した2件の「傘殺人」事件の理由とは?
「傘殺人の些細な理由」をご覧下さい。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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