防犯/個人情報を守る

住所氏名等の個人情報は簡単に教えてはいけません 住所を教えたのは誰?

住所氏名などの個人情報は気軽に知られたくはないもの。ところがどうも住所を知られてしまったその理由とは? 電話一本ではまってしまった罠。ストーカー被害に進展することも…。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

「個人情報」の取り扱いに警戒心を持たないと、こんな被害も起こり得ます。

不審な出来事

大学生のE理さん(21歳)には、最近、気になることが起きるようになった。誰かに見張られているような気がする。夜、バイトから帰るときに誰かがついてくるような気がして振り返ると、男の姿がサッと隠れる。自宅に帰ると携帯電話が鳴る。出ようと思うと切れていて、番号非通知なので誰からかわからない。

深夜、玄関のドアをノックされてドキンとしてドアスコープから外を見ると誰もいない。そして郵便物がいつもは集合郵便受けに入っているのに、時折、部屋のドアポストの中に入っていることがある。(郵便配達の人がついでに入れてくれたのかな)と、深く考えなかったが、ある時、田舎の友だちからの手紙がどうも封を開けられたような様子があった。

どうもおかしいことが続く。E理さんはだんだん不安になってきた。(ストーカー? でも誰なのか…)身に覚えがないので、誰も思いつかない。バイトの仲間でもあまり親しくない人には携帯電話の番号は教えてはいない。合コンに行ったときも一人の男性にしか携帯電話の番号しか教えていない。その人からは結局、電話はかかってこなかったし、自分からもしなかったのでそれきりだ。もちろん住所は教えていない。だから家までついてこられるということは考えられなかった。

E理さんは友だちにそのことを話したが、「考えすぎじゃないの」と言われて、それ以上は考えないようにした。しかし、気になることが続いた。やはりどう考えてもヘンだ。もう一度よく考え直してみた。そして、(もしかしたら、あのときの電話が…?)と思いつくことがあった。

E理さんの毎月の電話料金はバカにならない。2万から3万円になることもある。仕送りとバイトでなんとかやってはいるものの、お金はいくらあっても足りない。といって、携帯電話は手放せない。そんなある日、電話会社からの問い合わせがあったのだ。

「電話会社の者ですが、先月の電話料金を過剰にお支払いいただいてしまいました。ついては、余分にいただいた料金をご返金しますので、ご自宅の住所と氏名、振込銀行口座名を確認のため教えてください」

E理さんは(ラッキー♪)と思った。
「あ、そうなんですか。すみません。えっと、住所は○○区△△町の…」言われるがままに、住所、氏名、銀行の支店名、口座番号などを伝えた。
「じゃ、よろしくお願いします。はい、どうも」

そのまま、その件については忘れていた。しかし、口座には一向に振り込みがない。気になって電話料金の請求・領収書をよく見てみた。毎月、だいたい似たような数字で、とくに突出した数字というのはない。そして、問い合わせの電話があったときの数字にも何も変化はない。余分に支払ったとか、いくら返金するとかも書いてはいない。

→ 個人情報を漏らしたのはあなた2.p

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