ある隣人トラブル事件
平成13年6月28日午後3時50分頃、埼玉県A市の路上で自転車通行中のTさん(会社役員48才)が、前方から歩いてきた男にいきなり刃渡り20センチの包丁で刺されました。男は自転車のTさんに突然体当たりで襲いかかり、転倒したところをさらに馬乗りになって2本の包丁で数回刺したとのことです。Tさんは出血多量でまもなく死亡しました。駆けつけた警察署員に逮捕された男は、近くに住む無職男(40才)で、精神科に通院歴があり、意味不明のことを言っているといいます。Tさんは自動車販売修理会社の役員で、男はその会社が経営している整備工場のとなりに住んでいました。
事件は男が取り調べにもかみ合わない答えしかしていない、口数が少ないなどで原因の解明にはこれから時間がかかりそうです。しかし、騒音に苦情を言っていたとか、不審な自転車が多数置いてあるのをTさん方で警察に通報していたとか、どうも隣人トラブルが原因のひとつでもありそうな状況です。
昔からある隣人トラブル
古くは「ピアノ殺人事件」など、また最近では5月26日に京都のマンションで発生した、騒音をめぐる口論から隣人の男性53才を、53才の男が2階通路から約5メートル下の駐車場へ投げ落として死亡させた事件もありました。隣人トラブルの代表的な要因は「騒音」といわれています。「音」というのは心地よいものならいいけれど、気に障るものなら苦痛になります。とくに集合住宅では、エレベーター、ボイラー、空調室外機、などのいわゆるモーター音も気になることがありますし、子どもの飛び跳ねる音、ピアノやステレオ、テレビなどの音も意外と大きなものです。どこから聞こえてくるのか分からない低い唸るような低周波音に苦しめられている人も少なくないでしょう。
→2p.子どもの足音が、家庭内暴力の音が…
→→3p.事前調査が大切/集合住宅での騒音は