少年たちが狙ったモノ
たびたび新聞をにぎわす「ひったくり」事件。ほとんどが少年によるものです。今月10日までに神奈川県警少年課と多摩署では昨年夏ごろから今年の2月ごろまで連続発生していたひったくり事件の加害者として6人の少年を窃盗の疑いで逮捕しました。中学時代の同級生というこの6人は、カラオケや飲食などの遊ぶ金欲しさに川崎市多摩区と東京都稲城市を中心に数十件の犯行を繰り返していました。バッグの中身の現金だけでなく、持っていたブランドバッグを換金して合計数百万円にも及ぶ被害総額になっています。
最近の人気を反映して質店などで高く換金できることから、とくにブランドバッグを持つ女性を狙ったものです。
換金性の高いモノ
ブランドバッグといえば、「ルイ・ヴィトン」「プラダ」「シャネル」などがあげられますが、とくに若い女性に人気のある「ルイ・ヴィトン」のモノグラムというシリーズは一目でそれとわかるもので、全国的に支持されています。質店では高く売れるので、バッグそのものに価値があるのです。きくところによると、大阪などの関西圏では「シャネル」の人気が高く、東京などの首都圏では「ルイヴィトン」に人気があるようです。大手の質店の店先でも「モノグラムバッグ高価買い入れ」などと大きくアピールしており、その換金性の高さがわかります。
「どうせひったくりをするなら少しでも効率のいいバッグを」と考えたのは彼らなりの知恵でしょう。現金が少なくてもバッグを売れば数万円になったりするのですから、一石二鳥なわけです。とくに夜間、深夜の女性の一人歩きは狙われやすいのですが、さらにブランドバッグを持っていればこれはもう格好の獲物となるのです。
被害を受けないためには高価なバッグを持たないことと言えます。「でもっ! 自慢のバッグだし、持ちたいの!」という女性は一人歩きに注意が必要です。
“ひったくり”されないために
1.車道側にバッグを持たないのは当然ですが、
2.ショルダーバッグならたすき掛けにして、その上にコートやジャケットを羽織る
ようにすれば、ひったくりできないとして、襲撃の対象からはずされるでしょう。
また、ブランドバッグを持つのであれば、
3.バッグを他の袋物に入れてしまい、ブランドバッグとわからないようにする
ことです。
人通りもなくなった夜道を歩くとき、大事なブランドバッグを見せびらかす必要はないでしょう。とくに1人で帰路につくとき、あとは自宅に戻るだけ、ならば大事なバッグを盗まれないように、紙袋でも布製の袋でも普段からバッグに折り畳んで入れておき、用事が済んだらバッグそのものを入れてしまい、しっかり抱えて歩きましょう。ただの紙袋を狙ってもかさばるだけなので、やはり対象からはずされるでしょう(もちろん袋に入れるところを目撃されてはいけません)。
自転車の前カゴに入れるときも、袋に入れてからカゴに入れるようにすればバッグも傷みにくいですし、カゴやハンドルにくくりつければ追い抜きざま、すれ違いざまにひったくられることから防ぐことができます。
もちろん、前後左右、周囲をよく見回して不審な人物や自転車、バイクの接近にはいち早く気づいて、安全な位置に立ち止まってやり過ごすようにします。
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