防犯/使える防犯グッズ

正しく理解して防犯に役立てましょう 催涙スプレーはちょっと恐い?

防犯グッズの一つとして「催涙スプレー(防犯スプレー)」を知ってはいても、持つのも使うのも何か怖い……、と思っている人が多いかもしれません。催涙スプレーについて基本的な情報を知っておきましょう。ハンディで効果も防犯性も高いので、実はおすすめの防犯グッズです。(2021年11月改定、初出:2001年3月22日)

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

催涙スプレーを知る!

催涙スプレー

催涙スプレーに怖いイメージを持っていませんか?


防犯グッズの一つとして「催涙スプレー(防犯スプレー)」を知ってはいても、持つのも使うのも何か怖い……、と思っている人が多いかもしれません。催涙スプレーについて基本的な情報を知っておきましょう。

相手に向かってスプレーを噴射すると、「涙がものすごく出る」「鼻水がとまらない」「激しい咳き込み」など、直接的な身体効果がすぐに現れ、相手をいわゆる「無能力状態」にすることで、それ以上の攻撃を不可能にさせるものです。

欧米の警察等で使用されているような正式な製品なら、人体実験等で安全性は保証されています。つまり、後遺症はまったくなく、人体には無害なものなのです。

出回っている製品には化学薬品製とトウガラシ(ペッパー)などの自然成分のものとに大きく分けられますが、化学薬品製にはまれに効果のない人(薬物中毒者など)がいることがあります。

その点、自然成分のものはそのようなことはありません。また、山林地帯などで熊などの野生動物に対しても効果があります。

噴射すると内容物が霧状になって出るものと、液状、ジェル状のものがありますが、風向きや風の強さに影響を受けにくいものがよいでしょう。自分が受けてしまっては笑えないですよね。

射程距離も説明書にあるのでよく読んで距離感を養っておくとよいでしょう。1.5~2メートルくらいを目安に、相手の顔面に向かって噴射します。相手がひるんだらすみやかにその場所を離れて安全なところに避難しましょう。

 

気になるQ&A

Q1.「フルフェイスのヘルメットをつけている人にも効果があるのでしょうか?」
液状・ジェル状のものですと、ヘルメットの前面に付着して視界を奪う効果もありますし、首の周囲などには隙間がありますので、わずかな隙間からでも成分が内部に入り込み、吸い込んだり、皮膚に付着して我慢ができなくなるくらいの効果があります。つまり、他人をかまっている余裕のない状態になるということです。

Q2.「万が一、自分が催涙スプレーを浴びてしまったときはどうしたらいいのでしょうか?」
これはとてもつらいです。涙、鼻水、咳き込みの三拍子でとても耐え難いものがあります。まったく何もできず、肉体的のみならず精神的にもかなり消耗します。

 

応急処置を知っておこう!

応急処置としては、水道水などの流水で20分以上洗い流すことです。決してこすってはいけません。超微粒子が皮膚に入り込み、ひりひりとした感じが長く残ってしまいます。また、お湯を使うと毛穴が開いてよけいに痛いので、必ず冷たい水を使いましょう。石鹸は使わないようにします。

緊急時、付近に水栓・蛇口がない場合に備えて、バッグにミネラルウォーターを1本入れておくと、目を洗い流すことができるので有効です。

ご自分で防犯目的で所持されるなら当然、信頼できるものを購入しましょう。欧米の警察等で実際に使用されているなどの実績で選ぶのもよいでしょう。

Q3.「法律に違反しないのですか?」
現時点ではこれの所持、使用を取り締まる法律はありません。しかし、正当な理由なしに所持していると、警察官に職務質問をされたときに軽犯罪法違反等で逮捕される恐れもあります。

結局、「異臭騒ぎ」などで悪用されることが目立っているからでしょう。場合によっては「傷害罪」などになることもあります。あくまでも「自分の身を守る」目的で、正しく利用することです。


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