お風呂に現れる『チョウバエ』……何者?
お風呂場にフアンフアンと飛び回る小さい虫! いったい何者なの?!
急いでメガネをかけ(近眼なのです)顔を近づけてみると……
……ハエ?
……かたち的には、ガっぽい?
……それにしては、あんまりにも、ちっさくない?
……サイズ、せいぜい1ミリくらいじゃない?
しかしその後も毎日のように、そして次第に何匹も、その羽虫?ハエ?ガ?の姿を見るので、さすがに気持ちが悪くなってきたフニワラさん、よくよくお風呂場を調べてみることにしました。
すると……。
洗い場脇の、排水溝のあたりから、奴らはフアンアンと飛び出してきます!
思えば、排水口掃除は、最近ちょっとサボり気味でした。
フニワラさん、のんきに「あらヤダ結構汚れてるわね」などと言いながらスノコ状の排水溝カバーを外し、排水トラップを覗き込んで……「ギャーッ!」
なんか細かいイキモノがゴショゴショと蠢いてるではないですかッ!?
なにコレなにコレ!!!
そしてそのゴショゴショのコロニー(黒っぽい)周辺を、優雅に舞う翅のついたイキモノたち……。
奴らです!
ガみたいなハエみたいなちっさいの!
そう、奴らこそが、今回のテーマでありホシである……『ホシチョウバエ』なのでした。
<目次>
『チョウバエ(ホシチョウバエ)』とは?
チョウバエについてはこの本が一押し!『大発生チョウバエをやっつけろ家の害虫撃退事典』武藤 敦彦/大滝 浩太郎/ 丸山 和男河出書房新社 |
日本にいる『チョウバエ』の仲間は60種にのぼりますが、近年、システム(ユニット)バスの排水溝、排水口やトイレ、キッチンといった住宅の水周りの各所で見られる『チョウバエ』は、『オオチョウバエ』と『ホシチョウバエ』の2種類。
『オオチョウバエ』は双翅(そうし=ハネが2枚という意味)目(ハエ目)チョウバエ科に属し、成虫の体長4~5ミリ、灰黒色で、羽の形から「逆ハート型」に見え、全身毛が生えています。
形としては殆ど変わらない『ホシチョウバエ』のほうの体長は1ミリ前後とかなり小さく、若干色は薄めです。
『ホシチョウバエ』は小さいので、1~2匹しか飛んでいない状態だと、人によっては見逃してしまうかもしれません。フニワラさんちには『オオチョウバエ』はおらず、『ホシチョウバエ』だけが見られたのですが、両方いっぺんに(大小織り交ぜて)飛んでいるお宅もあるようです。
お風呂の小さい虫『チョウバエ』はどこから来るのか
マンションなどの集合住宅では、自宅以外で繁殖した害虫が、知らず知らずのうちに住まいに入り込んでくるケースが多く見られます。
汚泥や汚水、浮遊有機物(スカム)などから発生すると言われるので、マンションなど集合住宅では、よその家で発生したものが少しずつ伝播する、ということもあるかも知れません。(フニワラさんちでは新築入居時には見ませんでしたが、5年ほど住むうちにチラホラと見かけるようになりました。)
『オオチョウバエ』も『ホシチョウバエ』も、今や日本中で見られますが、多く見られるようになったのは比較的近年のことだといわれています。
日本の住まいは、省エネの観点から、どんどん高断熱・高気密化しています。『チョウバエ』は、成虫・幼虫ともに暗く湿った温かい環境を好みます。つまり、昨今の住まいはすべからく『チョウバエ』にとって最適な環境となってしまっているわけです。
特に注意しなければならないのが、年末やお盆の帰省時や、旅行の際。
中途半端に水分の残った汚泥は、格好の繁殖場所になってしまいます。
そうしないためにも、『チョウバエ』退治のポイントは押さえておかねばなりません!
お風呂の『チョウバエ』を退治するには?
●水攻めと掃除が基本!ユニットバス。まずは浴槽を隠しているエプロンを外します。ちょっとしたコツが要るので、注意しながらトライしてみて! |
まず成虫を見たら殺虫剤を噴霧するよりもシャワーの水をかけ、「水攻め」にして流してしまいましょう。
防水パンの上のスカム。フニワラさんちでは2年ほど掃除していませんでしたので、ばっちり汚れています。見苦しいですが、以下拡大しながらお送りします。 |
垢ともホコリともつきませんが、見た目よりもガッチリこびりついています。ただ水を流した程度では落ちません。しっかりこすり洗う必要があります。 |
(『大発生チョウバエをやっつけろ 家の害虫撃退事典』)
このスカムがチョウバエの繁殖場所なのです。なかなか面倒ですが、こういうところも意識して定期的にチェックしないと、快適な住まいは維持できない時代なのかもしれませんね。 |
『チョウバエ』侮りがたい恐怖⁉︎
(ホシ)チョウバエの幼虫が、なんと人間の白目に寄生していた!という症例もあるそう。「ハエ症」って怖い!!!
が、これらは時として、人間の「泌尿器」「生殖器」「気道」「目(白目の部分)」に寄生したり、混入して「ハエ症」を引き起こすことも……。
「血尿」や「喘息」の原因が、『チョウバエ』だなんてこともあり得るのです。ギャーッ! 嫌ですね!!!
ですから、『チョウバエ』、見つけたら即退治!しましょう。
小さいからといって、ゆめゆめ、油断されませんように!!!
排水口、それとも排水溝……?
パソコンなどで「ハイスイコウ」と打って変換する、或いはただ耳から「ハイスイコウ」という言葉を聞く。その時、あなたの脳裏に浮かぶ漢字は次のどちらだろう?1.排水口
2.排水溝
実のところ、明確な定義を持って、この「ハイスイコウ」という言葉を漢字に変換している人はあまりいないのではないだろうか?
なんとなく……「排水した汚水が流れてくところ?」という“感じ”に従って、フィーリングで使い分けてる、なんていう人もいるかもしれない。あるいは、より口っぽければ「排水口」、溝っぽければ「排水溝」なのかもしれない。
折角なので、ここで「正確な」ところの各部の定義を調べてみよう。
1.排水口
……(大辞林 第二版/三省堂 には該当語無し)
2.排水溝
……排水を流す目的で設けられた溝。(大辞林 第二版/三省堂)
……耕地や道路などの水を排除するためのみぞ。(大辞泉)
3.排水孔
……土留め擁壁(ようへき)の表面に設けた、その背面の水を浸出させるための穴。(大辞林 第二版/三省堂)
4.排水坑
……鉱山やトンネルで、湧出した水などを坑外に送り出す坑道。(大辞林 第二版/三省堂)
面白いことに、「排水口」という言葉の明確な定義を見つけることができなかった! けれど多く、前後の文脈から推察すれば概ね「キッチンシンクや洗面台、浴槽、浴室洗い場などから出る汚水を排水する口」を総じて「排水口」と呼んでいるようである。
反して「排水溝」の方は、汚水以外の水でも排水しなければならない水を流すためなどに設けられた、とにかく溝であると定義されているもののようだ。
見慣れない「ハイスイコウ」として「排水孔」、また「排水坑」という語があるということも、まあ参考までに。
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