放電に際して気をつけること

メモリー効果の対策方法は充電池のリフレッシュ──すなわち放電である。
なにも難しいことはない。
基本的には放電機能を持っている充電器に入れて、放電用スイッチを押すだけだ。

しかし、放電を行うにもいくつか注意点が存在する。
こう注意点が多いとなんて面倒な電池かと思われるだろうが、習慣にしてしまえばどうということはないていどのことばかりだ。

1・過放電に気をつける
まず、放電するといっても単三電池を利用する懐中電灯などは利用しないことだ。
これをやってしまうと放電のしすぎが起きてしまう。これは『過放電』と呼ばれる、電池にダメージを与えてしまう放電方法なのだ。

こういったライトを使って放電を行うのは厳禁。電池を痛めてしまう。

放電はある一定のところ(電圧1.0V付近)で止めなくてはならない。
放電をするのであれば、かならず放電機能のある充電器か専用の放電器を利用すること。
これらであれば保護機能があり、過放電には陥らない。

2・毎回放電しない
メモリー効果を防ぐためには充電池を通常の方法で10回ほど使用したあとで、1回放電するていどで十分だ。
毎回使ったあとに放電することは、かえって電池を痛めかねない。
こちらも注意が必要だろう。

3・メモリー効果の解消には2、3度の充放電が必要
ただし、メモリー効果がすでに生じてしまっているニッケル水素充電池に関しては、事情が異なってくる。
本来の容量を思い出させるために、2~3度充放電を繰り返さなければならない。

実際に、さきほどの充電池をさらにもう一度放電してから充電してみた。
今回は399枚の撮影に成功した。最初のフル充電からは約58%増し、2回目の充放電からは28%増しという結果になったのである。

メモリー効果は1回の充放電では解消されない。このグラフから2~3回ていどは充放電を繰り返す必要があることが理解できる。

防災用品としては不向き

自己放電とメモリー効果という特性から、ニッケル水素充電池は防災用品としてはおすすめできない。
太陽電池で充電するというアイテムも存在するが、単三2本を充電するのに14時間かかるので実用的ではないといえるだろう。
防災用品としては、通常のアルカリ電池を用意しておいたほうが無難だ。

放電機能つきの充電器はやや高価なのが難点だが……

というわけで、メモリー効果というやっかいな特性について、おおよそのことは分かってもらえたのではないだろうか。
気をつけてさえいれば、さほど怖いものでもない。また、メモリー効果を起こしても回復の難しいものではない。 ただし、放電機能を持っている充電器はやや高価であるのが弱点だ。
それでも筆者は放電機能を持っているものをおすすめする。元はすぐに取れるはずだ。

と、前回と今回の2回で完結させるつもりだったのだが、紙幅がかなりのものになってしまった。
そこで次回を最終回として、その他の注意点をまとめさせていただくこととしよう。
次回に続く

【主な放電機能付属の充電器】
ソニー BCG34HRD4 製品情報
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