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旅客機ができるまで何年かかる?(8ページ目)

旅客機ができるまで、何年かかるんですか? 私のもとに、よくそんな質問も届きます。そこで今回の「業界研究シリーズ」は、新型機の開発が計画されてから完成するまでの“プロセス”について考えてみました。

執筆者:秋本 俊二

A380完成までに費した歳月は15年以上


その後、1996年3月にエアバスは社内に新たに大型機部門を設立。新型機の開発構想は数度にわたる細部の見直しが行なわれ、より実用的かつ魅力ある機体にまとめ上げられていきます。そして1999年12月19日、エアライン各社に対するPR活動をスタートし、そこで新型機を発注する考えがあることを最初に伝えてきたのがエミレーツ航空とシンガポール航空の2社でした。

エアバスの超大型機A380は、こうして開発がスタートしました。世界の拠点や協力メーカーの工場で主要構成パーツなどの製造が進み、2004年6月には最初の2機の組み立てをフランス・トゥールーズ工場で開始。A380の初号機がロールアウト(完成披露)式典とともに初めて私たちに公開されたのは、2005年1月18日です。

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15年の歳月を経てA380第1号機がシンガポール航空に納入された (C)Airbus

その後、前述したような過酷なテスト飛行が繰り返され、2006年12月にEASAとFAAから型式証明を取得。2007年に入って、シンガポール航空へ納入する1号機のキャビン設置作業や、同エアラインのロゴを入れる機体の塗装作業などが進みます。そうして2007年10月15日、第1号機がシンガポール航空に納入されました。最初に開発計画が浮上したときから、完成までじつに15年以上の歳月を費やしているのです。
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