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ANA──国際線就航20年の歴史(下)(3ページ目)

過去20年でのANAにとっての最大の転機──それは1999年10月の「スターアライアンス」への加盟でした。前回に引き続き、ANAの国際線就航の歴史を振り返り、来たるべき未来を展望します。

執筆者:秋本 俊二

20年の準備滑走期間を終え
新たな10年に向かって飛躍


CA
アライアンスへの加盟が社員の“国際的スキル”を養うきっかけに。
ここ数年は、とりわけアジア路線の強化が目立つようです。成田空港の2本目となる暫定滑走路の供用がスタートした2002年には、中国への3路線(北京線、上海線、香港線)を1日2便往復のダブルデイリー運航にし、東京/廈門線やANK(エアーニッポン)との共同運送による東京/台北線も新設。翌2003年10月には東京/上海線をトリプルデイリー化(週21便運航)しました。

しかし藤村氏は「アジア路線だけを強化する方針を打ち出しているわけではない」と、次のように話します。

「暫定滑走路が2,180メートルに短縮されたことで結果的に近距離国際線が拡大された形になりましたが、ネットワーク戦略の責任者としては、一部の地域だけに路線を偏らせることは考えていません。空の旅の需要はいま、どんどん多様化しています。アメリカから中国へ行くのに成田経由のフライトを選択する人もいれば、日本の地方都市から成田を経由して海外へ向かう人も大勢います。国内線とのコネクションも含め、私たちがめざすのはあらゆる旅のニーズに応えていけるバランスのとれた国際ネットワークづくりです」

スカイセンター
今年6月にベールを脱いだ成田空港に隣接するANAスカイセンター。
初の国際定期便として東京/グアム線を就航させて、今年で20年。試行錯誤とチャレンジに費やしてきたこの20年は、ANAにとっては次なる飛躍への準備期間だったのかも知れません。昨年5月には新たな決意を示すかのように15年ぶりに客室乗務員や地上係員の制服をリニューアルし、そして今年6月には成田空港第1ターミナルの新南ウイングがオープンしました。この10月29日には成田/シカゴ線が最新機材ボーイング777-300ERで就航。乗り継ぎ時間が大幅に短縮され、ビジネスに観光に、同社のアメリカネットワークはますます充実します。

成田空港第1ターミナル南ウイングに集結したスターアライアンスグループ各社とともに、世界の空に向かって大きく翼を広げ始めたANA。利用者の一人として、来たるべき10年のさらなる飛躍に期待したいですね。

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【関連リンク】
ANA公式サイト
ANA/成田─シカゴ線就航
スターアライアンスのページ
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※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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