前回のガイド記事では、販売管理の業務知識をご説明しました。企業活動では販売だけでなく工場では生産管理も行っています。今までも製造業の進捗管理などをご説明しましたが今回は、生産管理の最終回として自社だけでなく外部企業も含んだ生産管理についてご説明します。

工程内外注

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企業グループの生産管理で管理レベルを向上させる!
製造業では「工程内外注」という言葉があります。これは、社内の工程の中に外注があるという意味です。例えば、次のような工程があるとします。

工程1(材料切り出し)→工程2(材料研磨)→工程3(材料切断)→工程4(表面塗装)

この中の工程1、工程2、工程3は自社で行いますが、工程4だけは自社でできないので外注工場に発注します。この場合、工程4の外注を工程内外注というのです。
工程進捗管理を行うためには、工程ごとにいつ作業を着手したか、いつ作業が終了したかの情報を収集する必要があります。自社内の工程であれば、その仕組みを作ればデータ収集できますが外注は自社とは違うため、詳細な情報を収集することができません。通常は、外注に依頼した日(或いは加工品を送った日など)を着手日とするケースが多いですが、外注先では必ずしも送った日に着手するとは限りません。そのため、一般に外注工程の管理が正確にできないのです。
そこで、外注工場にも簡単なシステムを導入してもらい、自社の管理を行うと共に着手と終了の情報を発注企業の送る機能を持つ生産管理システムを導入する企業も増えてきています。

EDIの活用

外注工場に作業情報を送り、その作業の着手と完了情報を得るためには、何らかの通信回線が必要です。一般にそのような仕組みをEDI(Electronic Data Interchange)と呼んでいます。通常、EDIでは、外注企業への発注情報及び出荷情報だけをやり取りするケースが多くありますが、それに加えて作業着手情報、終了情報をEDIで送るケースもあります。これにより発注企業では工程内外注の進捗情報が把握でき、工程全体の管理ができるようになります。また、終了情報や出荷情報に加えて品質情報(不良数や原因など)も一緒にEDIで送信するシステムもあります。さらに、外注企業への検収情報(受け入れた製品の数や金額など)や請求情報(外注企業から発注企業への)もEDIでやり取りするケースもあります。これにより、外注企業では自社の品質管理や売上管理もでき、外注企業側にもシステム利用のメリットがあるのです。単に発注企業のために情報提供するのではなく、外注企業にもメリットがあるシステムも最近では出ています。

計画と実績によるメリット

このような外注企業を含んだ工程管理では、外注企業にも自社の売上管理などの他に大きなメリットがあります。例えば、発注企業では最初に次のような生産計画を作ります。

工程1(社内)→工程2(社内)→工程3(社内)→工程4(外注)

計画の時点では工程4は8月1日に作業開始だったとします。しかし、前工程である工程1から3で遅れが生じると工程4には計画どおり加工品が届きません。すると、工程4の外注では8月1日に加工品がくると思って準備していたのが無駄になります。しかし、外注工程を含む工程管理ができていると、各工程での進捗実績が把握できるため、工程4の外注工場ではその情報を参照することにより、前工程での遅れがわかりいつ自社に加工品がくるか分かります。そのため、準備の効率がよくなり結果としてコストダウンにもつながります。このように、外注工程を含んだ管理にはいろいろなメリットがあるのです。

 通常生産管理システムと言うと、自社の中だけを管理するものが多いですが、今回ご紹介したような工程内外注を持つ発注企業では、外注工程を含んだ管理を行うことにより、自社の管理レベル向上と外注企業の管理レベル向上が図れるため、このようなシステムを利用する企業も増えてきています。ぜひ、このような企業グループとして生産管理を行う例も覚えておいてください。

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