6月29日のガイド記事では、「できるエンジニアになる(SE編)」を紹介しました。今回は、さらに企業の経営戦略や情報化戦略を策定できる、「上流SE(システムエンジニア)」なる条件などをご紹介します。

上流SEの仕事

情報システムを構築する場合、まずはユーザー企業の要件定義(何をシステム化したいか、どこまでシステム化したいかなどの要望)を行います。通常は、この要件定義からSEが対応する事が多いですが、要件定義をするためには様々な会社の背景があります。
例えば、生産管理システムを構築したいと言った場合、どのような経営方針に沿って構築するのか(経営戦略の策定)、システムの狙いは何なのか、システムの効果をどうやって計るか、また経営戦略を実現するためにどのようなシステム方針(情報化戦略)を作るのかなど、システム構築には背景があります。通常はこのような背景は企業サイドで決めるのですが、上流SEはこのようにシステム構築にいたるまでのプロセスにおいて支援するのです。そのため、コンピュータの知識や経験に加えて、経営的な知識や経験が必要となります。経営戦略から経営計画そして、情報化戦略を策定する場合、次のステップがあります。

■経営戦略の策定
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上流工程では戦略作りが重要

企業の経営環境(外部環境である脅威や機会、内部環境である強みや弱み)を分析し、将来どのような方向に進むかの「戦略方針」を設定します。そして、その方針を実現するために必要な要因(成功要因)を洗い出します。この戦略方針づくりと成功要因づくりが、経営戦略の基本となります。

■行動計画の策定
戦略方針や成功要因は、経営活動を行うための指針になりますが、内容的には大きなテーマであり具体的に何をしなければならないかという詳細までは作成されません。そこで、成功要因を実現するための具体的な行動計画づくりが必要になります。それが、行動計画です。ここでは、成功要因を実現するために、だれが、なにを、いつまでに、どうやって実行するという計画を作ります。この計画づくりができなければ、経営戦略は絵に描いたもちになります。

■情報化戦略の策定
ITは戦略に従う(或いは戦略を支援する)ものです。そのため、先に作成された戦略方針に沿ったIT戦略を作る必要があります。例えば、ある販売会社が、全国的に拠点を設け拠点ごとに販売に関する権限を委譲するとします。そうなると、情報システムも各拠点で意思決定ができるようなデータを提供する必要があります。その為には、どのようなハード構成、ネットワーク構成が適切かなどを含めた、計画を作る必要あります。これが情報化戦略です。そして、この情報化戦略に沿って要件定義がされ、さらにシステムの概要設計、機能設計と進みます。通常、経営戦略策定から情報化戦略策定までをシステム開発の上流工程といい、上流SEはこのようなプロセスに関わっていくのです。

それでは、このような上流SEには、どのようなスキルや資格が必要でしょうか?次ページでは、必要なスキルや資格についてご説明します。