前々回のガイド記事では、初級シスアドについてご紹介しました。また、前回のガイド記事では基本情報処理技術者(以下、基本情報)についてご紹介しました。この2つの資格はどちらも入門的資格です。今回は、この2つの資格の将来性や資格取得後のスキルアップ方法などについてご紹介します。
資格の将来性は?
IT関連の資格には、国家資格とベンダー資格があります。初級シスアドや基本情報は国家資格です。マイクロソフト社が認定するMCPなどは、ベンダー資格になります。入門系資格から、ステップアップを目指せ! |
一方、国家資格は永久的に活かすことができます。例えば、情報処理技術者試験は昔は「2種」「1種」「特種」という区分がありました。現在ではこのような区分はありませんが、「特種」を持っている方は、今でも実力があると評価されます。その意味で、ある製品に特化して現在資格を活かしたい方はベンダー資格、長く資格を活かしたい方は国家資格を取るというのもいいでしょうね。
ちなみに、初級シスアドや基本情報は、基本的な知識を問われます。ですので、まずはこのような国家資格を取得して、その後でベンダー固有の資格を取るケースも有効だと思われます。
ステップアップへの道筋
先に初級シスアドや基本情報は入門的な資格だと申し上げました。入門的な資格だということは、さらに上位の資格があるはずです。ここでは、入門的資格からどのようなステップアップあるのかをご紹介します。<初級シスアドからステップアップ>
初級シスアドは、情報システムなどを使うユーザー側の資格です。ですので、ユーザー側の資格である「上級システムアドミニストレータ」や「情報セキュリティアドミニストレータ」へのステップアップが適しているでしょう。
上級システムアドミニストレータは、企業の中にいて自社の情報化戦略策定、全社的な情報投資計画作成、ネットワーク計画作成など企業の情報化の責任者的存在です。初級シスアドはその下で、計画を実行している人材と言ってもいいでしょう。また、初級シスアドは各部門の情報化推進リーダーになって情報化を推進する役割です。このような経験を通じて、より高い能力が必要なシステムアドミニストレータにステップアップすることができます。
<基本情報からステップアップ>
一方、基本情報は情報システムを開発する側の人材です。情報システムを開発する場合、通常いくつかのフェーズがあります。例えば、情報戦略策定フェーズ、要件定義フェーズ、機能設計フェーズ、プログラム開発フェーズなどです。より上流工程へ行くほど、高い能力と知識、経験が求められます。さらに、これらのステップを実現するためには、より専門性の高いエンジニアが必要になります。つまり、情報システムの開発を行うSE(システムエンジニア)や戦略策定を行うコンサルタントへ進む道と、ネットワークやデータベースなどの技術的なスペシャリストになる道があるのです。まず自分の将来の姿を描いて、それを実現するような資格取得を行うことが重要になります。
・情報システム開発を行う場合とっておきたい資格
アプリケーションエンジニア
プログラマからSE(システムエンジニア)へステップアップする時に取得したい資格です。
プロジェクトマネージャ
情報システム開発プロジェクト全体を管理するマネージャにステップアップする時に取得したい資格です。
システムアナリスト
情報戦略の策定など、コンサルタントにステップアップする時に取得したい資格です。
・技術的スペシャリストになる場合とっておきたい資格
テクニカルエンジニア(ネットワーク)
ネットワーク構築や管理・運用の専門家になる時に取得したい資格です。
テクニカルエンジニア(データベース)
データベース設計や運用・管理の専門家になる時に取得したい資格です。
テクニカルエンジニア(システム管理)
情報システムの運用管理の専門家になる時に取得したい資格です。
テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)
情報セキュリティ強化のための対策や、システムの運用管理の専門家になる時に取得したい資格です。
テクニカルエンジニア(エンベディッドシステム)
マイコンなど機器に組み込まれてたソフトウェア開発の専門家になる時に取得したい資格です。
どちらの道へステップアップするにしても、まずは初級シスアドや基本情報処理技術者に挑戦し、基礎的な知識をつけてください。
<関連リンク>
情報処理技術者試験
合格の秘訣!基本情報処理技術者
合格の秘訣!初級シスアド