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国家資格とベンダー資格の比較
では、国家資格とベンダー資格の主な特徴を下表に比較してみましょう。比較項目 | 国家資格 | ベンダー資格 |
試験目的 | 国家のIT能力向上 | 製品の技術者育成・販売促進 |
出題の範囲 | 基礎理論、事例解析、論文による思考力・国語力 | 製品の詳細機能、運用・活用方法の知識 |
出題の技術レベル | 普及した技術 | ベンダー固有の新技術 |
資格の寿命 | 理論中心のためやや長い | バージョンアップがあるためやや短い |
取得の効果 | じわじわと効く | 現場での即効性あり |
取得が向く立場 | マネージャ、システムエンジニア、プログラマ | システムエンジニア、プログラマ |
[例]データベース | テクニカルエンジニア(データベース) | Oracleマスター |
[例]セキュリティ | 情報セキュリティアドミニストレータ | シマンテックスペシャリスト認定試験制度 |
資格取得をどう考えるべきか
以上、ご説明してきたように、国家資格とベンダー資格、どちらをとっても、長所と短所のあることがおわかりでしょうか。ガイドは、これらは相対するものではなく、相互に補完するものであると考えています。ベンダー資格は、現場での即戦力を証明する資格として捨てがたいものです。しかし、使う製品が別のベンダーに変われば、資格の効力も失われるのです。だからこそ、トップシェアを持つ製品の資格を持つべきなのですが、ITの進展が早いため、絶対大丈夫という製品はありえないと思ったほうがよいでしょう。
これに対しては、国家資格を取得し、他の製品でも理論をベースに使うことができる応用力を身に着けておくべきではないでしょうか。また、国家資格で問われる論理的な思考力や国語力は、技術系職種のエンジニアとはいえ、ビジネスを円滑に進めていく上で必要不可欠な能力といえます。
そこで、ぜひ、おすすめしたいのは、「一般理論が中心の国家資格をベースに、特定製品の専門スキルをベンダー資格で極める」ことです。
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