2026年10月8日から募集が始まった個人向け国債・固定5年(第187回債)の金利は年2.39%です。今回は、個人向け国債・固定5年を100万円購入した場合、最初の利払い日にはいくら受け取れるのか、計算してみましょう。

個人向け国債・固定5年を「金利2.39%」で100万円購入すると、半年後にもらえる利息はいくら?
個人向け国債・固定5年(金利2.39%/年)を100万円購入した場合の6カ月後の利息を計算してみましょう。
【半年後にもらえる利息】
・100万円×2.39%×1/2(半年間であるため)=1万1950円
実際は、受け取った利息から、税率20.315%分の「2427円」が差し引かれます。税率の内訳は、「所得税および復興特別所得税15.315%と住民税5%」です。
したがって、100万円を購入すると、最初の利払い日に受け取る半年分の利息は税引き後で「1万1950円-2427円=9523円」となります。
固定5年は、5年間の利率が変わらない個人向け国債
個人向け国債は、日本国が発行し、元本と利子の支払いを行う金融商品です。満期と金利の仕組みが異なる「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3タイプがあります。
今回ご紹介する固定5年は、発行時に決まった利率が満期まで続く商品です。第187回債では、年2.39%の利率が5年間適用されるため、受け取る利息の見通しを立てやすい特徴があります。
最低1万円から、1万円単位で購入できます。銀行や証券会社、ゆうちょ銀行などの取扱金融機関(2026年10月1日現在では872カ所)で申し込めます。満期には額面金額が戻るため、値動きを気にせず、当面使わないお金を管理したい方にとって選択肢の1つになります。
購入前に知っておきたい、個人向け国債の注意点
安全性を重視できる商品でも、お金を使う時期や物価の動きによっては、希望に合わないことがあります。購入前に、次の3点を確認しておきましょう。
●注意点1:金利が固定されても、物価は変わる
固定5年は、購入後に市場金利が上がっても、適用利率は変わりません。今後さらに高い金利の商品が登場した場合、そちらのほうが有利に見えることもあるでしょう。
また、物価上昇率が税引き後の利回りを上回ると、利息を受け取っても、お金で買えるものやサービスの量は実質的に減ることになります。額面の元本が守られることと、購買力が保たれることは別です。
今後の金利上昇にも対応したい場合は、半年ごとに利率が見直される変動10年も比較できます。ただし、変動10年も物価上昇に直接連動する商品ではありません。
●注意点2:購入後すぐには換金できない
個人向け国債は、原則として発行から1年間、中途換金できません。近いうちに使う予定のあるお金は、普通預金など、必要なときに引き出せる場所に置いておきましょう。
発行から1年が経過すれば、1万円単位で一部または全部を中途換金できます。例えば、100万円分を保有していて50万円が必要になった場合は、50万円分だけ換金し、残りを保有することも可能です。
中途換金時には、直前2回分の各利子の税引き前相当額に0.79685を掛けた金額が、中途換金調整額として差し引かれます。途中で換金すると、満期まで保有する場合より、手元に残る利息が少なくなる点を押さえておきましょう。
●注意点3:表示金利と、手取りの利息は異なる
個人向け国債の利子には、原則として20.315%の税金がかかります。内訳は、所得税・復興特別所得税が15.315%、住民税が5%です。
年2.39%という表示は税引き前の金利で、財務省が示す税引き後の利率は年1.9044715%です。100万円を保有した場合、通常の半年分の税引き後利息は約9523円が目安になります。
固定5年を検討しやすいのは、どんな人?
こうした特徴から、個人向け国債は次のような人に向いています。
●元本を守りながら、利息を受け取りたい人
老後資金や退職金の一部について、「大きく増やすことより、手堅く管理することを優先したい」と考える方には、個人向け国債が候補になります。
固定5年なら、日々の市場金利の動きを確認しなくても、発行時の利率で年2回の利息を受け取れます。運用の見通しを立てやすく、頻繁な売買をせずに保有したい方にも検討しやすい商品です。
●資産の中に、安定して置いておく部分をつくりたい人
お金の置き場所は、目的に合わせて分けると整理しやすくなります。日々使うお金は普通預金、値動きを受け入れて運用するお金は投資信託など、当面使わず安全性を優先するお金は個人向け国債、といった考え方です。
すでにほかの資産で運用している方も、個人向け国債を組み合わせることで、資産の一部を安定的に管理できます。自分の資産全体を見ながら、どのくらいを国債に回すか考えましょう。
●5年間使う予定のない余裕資金がある人
固定5年を選ぶなら、満期まで保有できるお金を中心に検討すると、商品の特徴を生かしやすくなります。
例えば、日々の生活費や急な出費への備えを確保したうえで、「この部分は5年間使う予定がない」と分けられる資金です。病気や介護、住宅修繕などに備えるお金を残しておけば、急な支出があっても、慌てて国債を換金せずに対応できます。
3年後に使う予定があるなら固定3年、金利の変化に合わせたいなら変動10年というように、ほかのタイプとも比較してみましょう。
金利と一緒に、お金を使う時期を考えよう
固定5年は、5年間の利率を確定させ、元本を守りながら利息を受け取れる商品です。利用するときは、「金利が何%か」とともに、「このお金をいつ使うのか」を考えることが大切です。すぐに使えるお金を手元に残し、当面使わない資金を運用に回す。こうした準備をしたうえで選ぶと、個人向け国債を老後の資金管理に取り入れやすくなるでしょう。







