
「話をじっくり聞いてくれる親切な先生」なのに、なかなか症状が改善しない……そんな悩みを抱えていませんか。長い診察をしてくれる医者が「アタリ」とは限りません。実は、腕の良い医者の場合、診察時間は5分あれば十分なのです。
現役医師である武井智昭さんの著書、『「寿命格差」という罠~今、必要なのはハズレ医者を見抜くスキル~』(日東書院本社)では現代の日本医療における“医者ガチャ”問題を取り上げています。本書では「ハズレ」を見極め、「アタリ」の医者を引き当てるためのノウハウを分かりやすく解説。
今回は一部を抜粋し、「アタリの医者」が5分間の診察で一体何を行っているのかをご紹介します。
診察時間「平均4~5分」の満足度が高いワケ
「先生がちゃんと診てくれない」「長時間待たされて、診察はあっという間に終わった」患者さんの口コミなどでも聞かれる内容です。
こうした話を聞くと、「長時間診察してくれる医者が良い医者」という感覚になりがちですが、実際には4~5分程度の診察でも高い満足度を得られる患者さんもたくさんいます。実際、5分ほどの時間で医者が何を行っているかを、見てみましょう。
診察時間の5分で医者が行うこと
【1】受診開始~1分:症状の的確な把握
患者さんから「いつから」「どのような」「どの程度の」症状なのかを効率的に聞き出し、考えられる疾患を整理します。要点を絞った質問で核心に迫ります。
【2】2~3分目:身体診察と仮診断
必要な身体診察を行い、仮診断をします。聴診、触診、視診などを総合して診断の絞り込みを行います。無駄な検査は行わず、必要最小限のものに留めます。
【3】4~5分目:治療方針の説明と指導
診断に基づいた治療方針を分かりやすく説明し、患者さんの質問に答えます。薬の説明、生活指導、次回受診の目安、緊急時の受診の目安など、患者さんが後で困らないよう的確な指導を行います。
診察時間が長いと「私のために、これだけ時間をかけてくれた」と感じる患者さんもいるでしょう。しかし、問題は時間の「長さ」よりも、診察の「密度」です。内容の濃い診察であれば、短時間のほうが患者さんの負担は少ないですし、他の患者さんも待たせません。
その視点から、もう一度診察時間を見てみましょう。いたずらに診察時間だけが長い医者は、自分の診断に不安を持っていたり、不要な検査で診療報酬を上げようとしたりしている可能性もあるのです。
著者:武井智昭(たけい ともあき)
2002年、慶應義塾大学医学部卒業。さまざまな病院・クリニックで小児科医・内科医としての経験を積み、現在は高座渋谷つばさクリニック院長。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、訪れる患者は0歳から100歳まで1日に100人以上。「1世紀を診療する医師」として研鑽を積んでいる。NHK『チコちゃんに叱られる!』、フジテレビ『めざましテレビ』、テレビ朝日『林修の今知りたいでしょ!』『ガリベンチャーV』ほか、メディア出演多数。






