ボーナスを受け取り、「ここまで頑張ってきてよかった」と感じる50代の方も多いでしょう。
dodaが公表した2025年の調査によると、50代の年間ボーナス平均額は143万2000円と、全年代で最も高い水準です。責任ある仕事を任される人も多く、収入のピークを迎える時期といえます。一方で、この収入がずっと続くとは限りません。
今回は、60歳で定年を迎え、現在は再雇用で働くおひとりさまのM美さんが実践してきた「ボーナスの分け方」を紹介します。

M美さんが続けてきた「5:3:2」のルール
地方の中堅企業に勤めていたM美さんは、50代前半のボーナスが多い時期から、お金の使い道をあらかじめ以下の3つに分けていました。
・5割:老後資金や生活防衛資金
・3割:住宅の修繕や医療費など、将来まとまって必要になるお金
・2割:旅行や趣味など、自分が楽しむためのお金
「ボーナスが増えたのはうれしかったです。でも、独身だからこそ、将来への不安もありました。全部使う勇気もなければ、全部貯めるのも違う気がして……。いろいろ考えた末に、『5:3:2』という分け方が、自分にはちょうどよかったんです」
そう振り返ります。
現在は60歳で定年を迎え、再雇用として働いています。収入は現役時代より減りましたが、50代から計画的に準備してきたおかげで、慌てることなく生活できているそうです。
思わぬ出費は「歯」の治療だった
そんなM美さんにも、最近ヒヤリと感じる出来事がありました。
以前治療した歯の被せ物が傷み、2本とも治療し直すことになったのです。保険診療という選択肢もありましたが、歯科医から「長く使うなら自費診療の方が耐久性があります」と説明を受け、自費診療を選択しました。
費用は1本約10万円。2本で20万円です。
「先々のことを考えると、長持ちする治療を選びたいと思いました。年齢とともに体は少しずつ衰えていくものですから、今の状態をできるだけ維持することも、これからの自分への投資」と考えたそうです。
治療後は、「思い切って自費診療を選んでよかったです。ヒヤッとする出費でしたが、50代からボーナスを分けてきたおかげで、自分が納得できる治療を受けることができました」と話します。
50代のボーナスは「未来の自分」のためにも使う
50代は収入が最も多くなる人も多く、お金に少し余裕が生まれやすい時期です。その一方で、定年後を見据えた準備を始める最後のチャンスです。
そのため、ボーナスは最初から役割を決めて管理しておくことが大切です。
例えば、
・老後資金
・自宅の修繕や水回りのリフォーム資金、家電の買い替え
・医療費や介護への備え
・旅行や趣味など、今を楽しむお金
というように、目的別に分けておく方法です。
定年後は、年金生活が始まる一方で、家の修繕や家電の買い替え、思いがけない医療費など、数十万円単位の支出が重なることも珍しくありません。現役時代は毎月の収入やボーナスで対応できていた出費も、収入が減った後では家計への負担が一気に重くなります。
そう考えると、収入に余裕がある50代のうちから、「将来きっと必要になるお金」を先に確保しておくことが大切です。
まとめ
M美さんが実践してきた「5:3:2」のルールは、特別な資産運用ではありません。
「守るお金」「備えるお金」「楽しむお金」を、ボーナスが入った時点であらかじめ分けておくだけのシンプルな方法です。
もちろん、この割合に正解はありません。家計や老後資金の状況に合わせて、自分なりの割合を決めれば十分です。
50代のボーナスは、今を楽しむためのお金であると同時に、5年後、10年後の自分を支える大切な資金でもあります。目の前の楽しみに使う分と、将来の安心につながる分を上手に分けることが、定年後も慌てない家計づくりにつながるでしょう。







