今回は、そんなリスクを回避するために、老後破産に陥りやすい3つのNG習慣と、つい口にしてしまいがちな危険な「口ぐせ」を紹介します。まずは自分に当てはまる項目がないか、チェックしてみましょう。
老後破産NG習慣1:現役時代の「生活水準」を下げられない
老後破産に陥る最も多い原因は、年金生活に入っても現役時代の「金銭感覚」を引きずってしまうことです。現役時代には気にならなかった「ちょっとしたぜいたく」や「無意識の支出」が、ボーナスのない年金生活では命取りになります。具体的には、以下のような「チリツモ支出」が家計をじわじわとむしばんでいきます。
例えば、こんな支出例に心当たりがありませんか?
・食生活のこだわり
デパ地下の総菜、高級スーパーでの買い物、なじみの店での外食。
・無意識のコンビニ利用
喉が渇いたらコンビニでペットボトル、ついでに新作スイーツも。「1回数百円」が積もり、月1万円以上に。
・見直していない固定費
大手キャリアの高いスマホ代、ほとんど見ていない動画配信サービス、見直しせずに続けている高額な生命保険料など。
・交際費とプライド
現役時代と同じ感覚でのご祝儀やお祝い金。友人とのお付き合いを断れない……など。
・健康への過剰投資
なんとなく買いそろえたサプリメント、通わなくなったスポーツジムの会費など。
●やめるべき口ぐせ:「今まで頑張ってきたのだから、これくらいはいいだろう」
この「自分へのご褒美」という思考が、老後破産への第一歩です。ご褒美が「日常」になってしまうと、家計はあっという間に破綻します。
●対策チェックリスト
「生活水準」を下げられない人の老後破産対策としては、以下のようなことがあります。チェックしてみましょう。
・年金だけで生活する「シミュレーション」をしたことがあるか?
・毎月の固定費(サブスク、通信費、保険料)を直近1年で見直したか?
・100円単位の「無意識の買い物(コンビニ・自販機)」を1週間記録してみたか?
・ボーナス払いに頼っていた「年払いの出費」を全て書き出してみたか?
・「必要だから」で買い物をする基準を持っているか?
老後破産NG習慣2:子どもや孫への「過剰な援助」
自分たちの老後資金を削ってまで、成人した子どもや孫にお金を流してしまう「教育・援助破産」も問題です。子どもの結婚式費用、住宅購入の頭金、孫への高価なプレゼント………。これらは「家族の喜ぶ顔が見たい」という善意からくるものですが、自分たちの生活基盤を壊してまで行うものではありません。
●やめるべき口ぐせ:「子どものためだから(孫が喜ぶなら)」
親心は大切ですが、自分の老後を守ることは、将来子どもに金銭的な迷惑をかけないことでもあります。「NO」と言える勇気が、家族全員を救います。
●対策チェックリスト
「過剰な援助」をしてしまう人の老後破産対策としては、以下のようなことがあります。チェックしてみましょう。
・援助の「上限額・ルール」を設定しているか?
・子どもと親、お互いが自立することを具体的に話し合えているか?
老後破産NG習慣3:現実逃避による「情報収集不足」
「お金のことはよく分からない」「将来を考えただけで不安になる」と、数字から目を背ける習慣は非常に危険です。「ねんきん定期便」を確認しない、退職金をなんとなく使ってしまう、金融機関のすすめに応じて投資をした、定年後も住宅ローンの返済が続く……など。
こうした「現状に対する認識のあいまいさ」が、将来の破綻を招きます。
また、病気や介護にかかる費用を「なんとかなる」と楽観視し過ぎているケースも、いざという時に一気に資金が底をつく原因になります。
●やめるべき口ぐせ:「なんとかなるさ」「その時考えればいい」
老後のマネープランにおいて「なんとかなる」ことはまずありません。現実は「計算した通りになる」のです。
●対策チェックリスト
「情報収集不足」から老後破産してしまう人への対策としては、以下のようなことがあります。チェックしてみましょう。
・自分の「ねんきん定期便」を毎年必ずチェックしているか?
・貯蓄残高とローン残高(あれば)を正確に把握しているか?
今日から始める「老後破産」回避術
老後破産を避けるために必要なのは、高度な投資術ではなく、「現状を正しく把握し、身の丈に合った生活を送る」というシンプルな姿勢です。まずは、「なんとかなるさ」という口ぐせを捨て、「月いくらで暮らせるか?」を数字にしてみましょう。少しでも不安を感じたら、その時が生活を見直す絶好のチャンスです。早速やってみましょう!








