お礼の手紙の書き方!例文とマナー
手紙の中で書く機会が多いものといえば、おそらく真っ先に 「お礼の手紙」があげられるでしょう。お礼状は、ビジネスでお世話になった方に対してや、お歳暮などの贈り物、結婚祝い、就職活動や教育実習など様々な場面で使い分けで書く必要があります。手紙の書き出しである季節の挨拶から、基本文例と書き方のポイントまで、ケース別に例文付きで紹介します。【INDEX】
・お礼状の書き出し 季節の挨拶
・お礼の手紙を送るタイミングはいつ?
・例文:ビジネスでのお礼状
・例文:お歳暮やお中元の贈り物へのお礼状
・例文:就職でお世話になった恩師へお礼状
・例文:結婚祝いをいただいた友人・知人へお礼
・例文:結婚祝いをいただいた恩師へのお礼状
・例文:教育実習でお世話になった先生へのお礼状
お礼状の書き出し 季節の挨拶
「時候の挨拶」とは、その時々の季節感や気候の様子を表すもので、漢語調で短く簡潔に表現したものと、口語調のやわらかい表現の言い回しがあり、相手や場面に応じて使い分けます。漢語調は、「新緑の候」「寒冷の候」など短く表現したもの。口語調は、「風薫るさわやかな頃となりました」「寒さも一段と厳しく感じられるこの頃でございます」などの、話し言葉調のものをいいます。
お礼状書き出しの季節の挨拶にも色々ありますが、社交や儀礼的な文書では次のような表現がよく見られます。
「拝啓 涼秋の砌、貴社益々ご隆盛の段、慶賀の至りに存じます」「平素は格別なるお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます」……。
商用の年賀状や会社設立、転任・就任・退任など、特にビジネスや儀礼的な挨拶状では、このような書き出しの言葉が習慣として用いられることが多いものです。相手と何度もやり取りをしている場合やお礼状などは特に、いつでもこのような決まり文句ばかりというのも味気ないこともあります。時候の挨拶などの書き出しの言葉も、失礼のない程度に省略したり、自分なりの言葉に言い換えることで、あたたかな、より心が伝わる文章となるでしょう。
▶時候の挨拶の言葉、1月から12月まで季節毎の文例紹介
お礼の手紙を送るタイミングはいつ?
相手が自分のために骨折りや時間を費やしてくれたことへのお礼ですから、あまり時間が経ってしまっては失礼になる恐れもあります。何日までにという決まりがあるわけではありませんが、タイミングを逸しないように、なるべく早くにお礼の気持ちを伝えたいものです。お礼の手紙を送るタイミングが遅れてしまった場合
万が一、事情があって遅れてしまった場合でも、言い訳ばかりになるのは禁物ですが、ひと言おわびの言葉を添えたほうが丁寧です。例えば……「すぐに御礼(お礼)をと思いながら、急な○○がございまして遅れてしまいましたこと、どうかお許しくださいませ」
「○○が入ってしまい、御礼のお手紙(メール)が今ごろになってしまい申し訳ございません」
などの言葉を添えるといいでしょう。お礼の手紙にはどんな便箋を使うべき?
目上の人宛や、お詫びなどの改まった手紙は、白地に縦書きが正式です。しかし、会社の一員として出すなどビジネスの手紙は横書きを用いることも多いでしょう。相手や場面で使い分けましょう。お礼の手紙例文:ビジネスで取引先を紹介してもらった際のお礼状
ビジネスで取引先を紹介してもらった際のお礼状例文
拝啓 通りの柿の実も色づきはじめ、いつの間にかすっかり秋を思わせる頃となりました。
その節は、〇〇デザイン様をご紹介いただきまして(※1)、誠に有り難うございます。
本日、ご担当の板橋様にお目に掛かかることができまして、10月よりお取引させていただくということで話がまとまりました。私どもだけではこんなにもスムーズに話が進むことは難しかったであろうと存じます。
これもひとえに杉山様が電話にてあらかじめお口添えくださいましたお陰でございます(※2)。ご厚意にあらためて感謝申し上げます。
このご縁を大切に(※3)、さらに全力を尽くして努めてまいる所存です。
どうかこれからも、変わらぬご高配、ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
近日中にご挨拶にお伺いしたいと存じますが、まずは略儀ながら書中をもって、ご報告、御礼申し上げます。 敬具
お礼状の書き方の ポイント・注意点
お礼状の書き方の基本構成は、「お世話になったことへのお礼」「どうなったかという結果の報告」「相手の厚意、力添えへのお礼」「今後の決意や抱負」「今後も支援を頼むお願いの言葉」です。紹介して頂いた場合、紹介した相手もその後どうなったのだろうかと気になるものです。結果が分かったらなるべく早く報告しましょう。電話でまずは報告した場合でも、改めてお礼状を出す方が丁寧です。経過や結果の報告とともに、大切なのは相手の厚意に対しての感謝の気持ちです。○○さんのお陰で実現できた、助かった、ありがたいなどの感謝の思いを具体的に表現しましょう。
また、紹介してもらったけれど結果が思わしくなかった場合、不成立の場合でも、相手の骨折りや厚意に対してのお礼や感謝の気持ちは忘れたくないものです。
その他の言い換え例
※1 お忙しいなかをご尽力くださいまして、お骨折りいただきまして
※2 杉山様のお陰、杉山様のご尽力がなければ叶わなかったこと、杉山様あってのこと、杉山様のお力がなければ到底不可能、お力添え、ご配慮、ご助言、ご厚情、労をとっていただき
※3 ご厚意におこたえできますように、せっかくのご厚意を無にすることのないよう、お骨折りを無にせぬよう
お礼の手紙例文:お歳暮・お中元で名産品の贈り物をいただいたお礼状
お歳暮・お中元で名産品をいただいた際のお礼の手紙例文
お忙しいなか、私どものことまでお心にかけてくださいまして、お心遣いありがとうございます(※5)。
風邪が流行っているようですので、どうかくれぐれもご自愛くださいませ。御礼にて失礼いたします。
お礼状の書き方のポイント・注意点
食べ物の贈り物の場合は特に、送った相手も無事に届いたかどうか、心配になることも多いでしょう。お礼の手紙は、「確かに受け取りました」という返事の意味でも、なるべく早くに出したいものです。また、親しい間柄ならば電話でということもありますが、ときには手紙で伝えるのもいいでしょう。封書では改まりすぎるような場合は、はがき、一筆箋、カードなども上手く活用して、機会を逃さずに書きましょう。食べ物ならば、その美味しさや新鮮さなど、喜んでいる笑顔や嬉しい様子が目に浮かぶように。具体的な一言を添えることで、手紙にいきいき感が生まれるでしょう。
■その他の言い換え例
※4 めったに口にできないお品、珍しい○○、旬の味覚、何よりの好物、わが家みんなの大好物、海の幸・山の幸、お心づくしの
※5 お心遣い感謝申し上げます、あたたかなお気持ち、感謝申し上げます、お心にかけていただきありがたく思っております
お礼の手紙例文:就職でお世話になった恩師へお礼状
就職でお世話になった恩師へお礼状例文
このたびは(※7)、私の就職に際しまして、たいへんお世話になりまして、誠にありがとうございました。
無事内定の通知をいただくことができまして、これもひとえに先生のご指導のお陰と存じます。
先生には、在学中からお世話になりまして、いつも親身になって相談に乗っていただき、あらためて感謝の思いで一杯です。
これからは、社会人としてこの思いを胸に、日々努力をしてまいる所存でございます。
どうか今後ともご指導、ご助言賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
本来ならお伺いのうえ御礼申し上げるべきところでございますが(※8)、まずは書中にて御礼、ご報告申し上げます。 敬具(※9)
お礼の手紙例文:教育実習でお世話になった先生へのお礼状
拝啓 初冬の候(※6)、お忙しい毎日をお過ごしのことと拝察いたします。このたびの(※7)教育実習では、先生にはたいへんお世話になりましてありがとうございました。何もかもが初めての経験に、気持ちばかりが先走りしてちっとも行動が伴わない私を、あきれることなくご指導くださいましてただただ感謝の思いで、今思い出しても胸が一杯になります。
無事に終えることができ、生徒の皆さんにいただいたお言葉や寄せ書きは私の宝物です。そんな経験をすることができましたのも、先生のお陰でございます。少しでも先生に近づくことができますよう先生を目標に、これからも一生努力いたします。胸が一杯でうまく言葉になりませんが、本当にありがとうございました。
略儀ながらまずは書中もって御礼申し上げます(※8 )。 敬具(※9)
お礼の手紙例文:上司や目上の人へのお礼状
目上の人へ お世話になったお礼先日の出張の折には、たいへんお世話になりましてありがとうございました。
思いがけず〇〇様が、〇〇様とお知り合いでいらっしゃるとは驚きましたが、
お電話にてお口添えいただきましたおかげで、○○様とも早速お会いすることが
でき、順調にお話を進めることができました。
また、帰り際にはお忙しいなか見送りまでいただきまして、私の方が
お世話になりましたのに、まことに恐縮しております。
ご厚意にあらためて御礼申し上げます。
どうぞ、こちらにお出かけの折には、私がご案内をと
思っておりますので、その折はどうかお知らせくださいませ。
本当にありがとうございました。
御礼にて失礼いたします。
お礼状の書き方のポイント・注意点
ビジネスや目上の方、お世話になった方へのお礼状の場合、改まった表現を用いることも多いでしょう。時候の挨拶である「師走の候」「初冬の候」 (※6 )は、「拝啓」などの頭語のあと一字分あけて書きます。(※7)は、主文。手紙の本題、用件となる部分です。「このたびは」や「さて」「先日の○○の件でございますが」などの書き起こしの言葉から始めることによって、読み手にここからが本題だとわかりやすくするなどの利点があります。
「取引先を紹介してもらったことへのお礼状」同様に、お陰で無事に叶えることができた、済ませることができたなど相手への感謝の気持ちを具体的に述べます。その時々の思い出や心に残ったことなどを記すのもいいものです。
相手に特にお世話になった場合などは、手紙だけでなく直接ご挨拶、お礼に伺うほうがより丁寧ですが、遠方であったり、返って相手を煩わせてはいけないなどの配慮から手紙のみでということもあるでしょう。そのような場合のお詫びのひと言として「本来ならお伺いのうえ御礼申し上げるべきところでございますが」(※8)「お目にかかってご挨拶申し上げるべきところでございますが」などの表現がよく用いられます。
(※9)は、結語と呼ばれる結びの言葉です。結語の書く位置は、本文の最後の行に余白があれば同じ行に、余白がなければ改行して、行末から1字分ほどあけて書きます。
お礼の手紙例文:結婚祝いをいただいた友人・知人へお礼
結婚祝いを頂いた友人・知人へのお礼の手紙例文
どの香りからにしようかと今から楽しみです。特別な香りに日常が優雅な時間へと早変した感じです。大切に使わせていただきますね。
またお会いしたときにお話をと思っておりますが、まずはお手紙にて、ありがとうございました。
お礼の手紙例文:結婚祝いをいただいた恩師へのお礼状
拝啓 師走の候、このたびは、私どもの結婚に際しまして、お心のこもったお祝いを頂戴いたしまして、誠にありがとうございます。先生にはお世話になっておりまして、自分のことで恐縮に存じましたがひと言ご報告だけと存じまして、お電話では失礼いたしました。話をお聞きいただけただけでもうれしいことでしたのに、このようなお心尽くしをいただきまして、何と御礼を申し上げてようやら言葉も見つからない思いでございます。
あのお店のタオル地はふんわりと肌触りが良く贅沢なお品で、素敵だなと思いながらもなかなか手にすることができないものでございました。そのような素敵なお品をありがとうございます。
まだまだこれからの私たちでございますが、先生ご夫妻のような温かな家庭を育んでいくことができますようにと思っております。
師走に入り、お忙しい毎日と存じますが、どうぞお風邪など召しませぬようご自愛くださいませ。 かしこ(※10)
お礼状の書き方 ポイント・注意点
(※10)は、結語と呼ばれる結びの言葉です。 結婚祝いをいただいた恩師へのお礼状の結語「かしこ」は、現在は女性が用いる結語として知られています。結語の書く位置は、本文の最後の行に余白があれば同じ行に、余白がなければ改行して、行末から1字分ほどあけて書きます。
<お礼の手紙の書き方についてよくある質問>
お世話になった人へのお礼の手紙はどれくらいの文字数をかけばいいですか?
こちらに追記をお願いします。カジュアルなお礼状の例を見たいです。
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