レアメタルとゴリラの深い関係
こちらは上野動物園のニシローランドゴリラ。3種類のゴリラはすべて絶滅の危機に瀕しています |
アフリカで採掘できるのは、アフリカのコンゴ民主共和国(旧ザイール)の東半分のジャングルに覆われた地域に限られています。ここが、ヒガシローランドゴリラと、マウンテンゴリラの生息地になるのです。
コンゴはダイヤモンド、コバルト、銅、金など地下資源が豊富な国で、それを狙って、ウガンダやルワンダなどの周辺国が侵入してきては紛争や内乱も絶えません。
ただでさえそんな地域に、タンタルという先進国がこぞってほしがるレアメタルが加わったことで、今後の内乱やら紛争がエスカレートしていくのではという見方もあります。事実、隣国のルワンダにはタンタル鉱山がないにも関わらず、年間の国家予算に等しい額のタンタルをコンゴから密輸入して輸出しているなんていう噂もあるのだとか……。
そして、それによって、ゴリラの住むジャングルが荒らされ、紛争に巻き込まれたり、食用としても殺されるゴリラたちが跡を絶たないのです。
ただし、日本製携帯電話に使われているのはオーストラリア産のタンタルで、コンゴ産が使われたという事実はないそうです。でも、世界中で爆発的に携帯電話が普及し、タンタルの需要が高まっていることを考えると、資源を有効に使うことはやっぱり大切。先進国の過剰な需要からゴリラの生息地のジャングルを守ることにもほんのちょっと役立てることにつながります。
携帯1台で50円がゴリラの保護に!
このロゴのあるポスターがケータイゴリラキャンペーンの目印です。 |
国際青年環境NGO、A SEED JAPANのゴミゼロナビゲーションチームでは「ケータイゴリラキャンペーン」を実施中です。環境関係のイベントで携帯電話を回収し、その収益をマウンテンゴリラの保護活動をする団体に寄付するというキャンペーンです。1台の携帯で50円の収益があるのだとか。
次回の回収キャンペーンは、6月14日、15日に代々木公園イベント広場で行われるバングラデシュフェスティバルで展開される予定です。実際の保護に役立ち、都市鉱山の有効利用にも一役買えるという二重にお役立ち感がありますよね。
また、今後は全国で回収する方法も検討中だとのことです。詳しくはA SEED JAPANのゴミゼロナビゲーションチームの「ケータイゴリラキャンペーン」へ直接お問い合わせくださいね。
もちろん、携帯のリサイクルは、各携帯会社の販売店で行っています。どこの販売店にも穴をあける機器がありますので、個人情報漏れなどは心配ありません。ただし、販売会社で回収された携帯電話はタンタル以外の金属は
確実にリサイクルされるものの、コンデンサーに使われているタンタルはあまりにも微量なため、リサイクルされない可能性もあるのだそうです。
なので、現段階で、回収された携帯電話をゴリラたちの保護に役立てるには、「ケータイゴリラキャンペーン」に参加する(=レアメタルの収益金がゴリラの保護活動に使われる)ことが最も確実な方法!ということになりますね。
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