老後の生活が本格化する60代。これからの暮らしを安心して送るには、「いくら資産があればいいのか」「他の人はどのくらい持っているのか」が気になる方も多いのではないでしょうか。
今回は、金融経済教育推進機構の「家計の金融行動に関する世論調査2025年」から、60代の金融資産保有額の実態を見てみましょう。

60代・単身世帯のトップは「資産ゼロ」、2位には「3000万円以上」
まずは、60代・単身世帯がどの程度、金融資産を持っているか見てみましょう。
・1位:金融商品非保有……30.4%
・2位:3000万円以上……15.6%
・3位:100万円未満……9.1%
・4位:1000万~1500万円未満……8.1%
・5位:500万~700万円未満……6.0%
なお、60代単身者の金融資産保有額の平均は1364万円、中央値は300万円です。この調査でいう金融資産には、預貯金や株式、投資信託、生命保険などが含まれています。ただし、日常の出し入れに使うために一時的に口座に置かれているお金は含まれていません。
60代の単身世帯では、「金融商品を保有していない人」が最も多く、全体の約30%を占めました。
一方で、「3000万円以上の資産を保有している人」も約16%と一定数見られます。このことから、資産の保有状況には幅があり、人によって大きな差があることが分かります。
平均額の1364万円は中央値である300万円と大きな開きがあり、実際は一部の高額資産保有者が平均を引き上げている構図が見てとれます。
60代・二人以上世帯は「3000万円以上」が1位で約3割を占める
続いて、60代が世帯主である二人以上世帯の金融資産保有額を見てみましょう。
・1位:3000万円以上……27.2%
・2位:金融商品非保有……12.8%
・3位:2000万~3000万円未満……12.4%
・4位:1000万~1500万円未満……8.9%
・5位:1500万~2000万円未満……8.0%
二人以上世帯の場合、平均額は2683万円、中央値は1400万円となっています。
最も多い層は「3000万円以上の資産を保有している人」で、全体の約3割に迫る勢いです。一方で、2位には「金融商品を保有していない人」がランクインしており、現役時代の働き方や退職金の有無、あるいは生活スタイルの違いによって、世帯間の大きな差ができているのが特徴です。
単身世帯と比較すると、全体的に資産額の水準は高めです。中央値が単身世帯の300万円に対し、二人以上世帯では1400万円と大きな開きがあるのは、共働きによる蓄えや、夫婦で受給する年金額の多さ、そして住居費などの固定費を分担できる家計の構造が背景にあるのかもしれません。
また、家族がいることで「将来への備え」に対する意識が共有されやすく、計画的な資産形成が進んでいる世帯が多いことも、この数字から読み取ることができます。
60代以降に貯金を増やすには?
「老後資金はできるだけたくさんあったほうがいい」と思いがちですが、大切なのは自分の生活スタイルに合った「お金の使い方」と「資産の守り方」を考えることです。
60代は年金生活が始まったり、働き方を変えたりと、大きな転機を迎える時期でもあります。だからこそ、インフレや長生きのリスクに備えて、貯金を少しずつでも増やしていく努力は続けていきたいもの。
おすすめなのが「先取り貯金」。収入が入ったらすぐに、一定額を別の貯金口座に移しておく方法です。こうすれば、使い過ぎを防ぎ、着実にお金を貯められます。
さらに、スマホ代や保険料などの固定費を見直すことで、生活に負担をかけずに貯金に回せる余裕も生まれます。
また、新NISAなどを活用した分散投資は、インフレに強く、資産を育てながら守る手段として心強い味方になります。無理のない範囲で、できることから始めてみましょう。







