森からの言葉は、人類への警告
カヤポ族の集落。マローカと呼ばれる独特の家が円形に並ぶ。©RFJ |
しかし、そんな殺し合いの歴史を続けることに、何も意味がないことに気づいたのです。憎しみは何も生み出しません。部族の者に戦いをやめることを訴え、それぞれを尊重しながら生きていくことを決めました。そのおかげで私たちの部族も安定した生活ができるようになりました。
もし、このまま破壊が進み、森がなくなったら、私たちの居場所はなくなってしまいます。そのとき、孫たちはいったいどこで暮らせばいいのでしょうか」ラオーニ氏はそう訴えます。
森林破壊は地球規模の問題であると同時に、アマゾンの森を糧に自給自足の暮らしをしている先住民の人々にとっての、死活問題です。アマゾンの開発が進むことは、存続の危機にさらされていることでもあるのです。
そして「森がなくなることは、世界がなくなること」と繰り返します。
「日本にも精霊が満ちあふれていることを感じます。行く先々でその土地の精霊が私に語りかけるのです。『森が失われている』と。『森がなくなり、川が汚れ、生き物がいなくなっている』と。森の言葉は、人間への警告です。文明人はなぜそれに気づかないのか。」
森がなくなって存続の危機にさらされるのは、アマゾンの人びとだけではないのです。
まずは知ることから始めよう
カヤポ族の子ども。©RFJ |
まず大切なのは、何が起きているかを知ること。カヤポ族の集落に通い支援を続ける南研子さんは、その経験を2冊の著書にまとめています。そういった本を手にしてより詳しい実状を知ることから始めるのもいいでしょう。アマゾン・インディオの文化と生活を知るには「アマゾン、インディオからの伝言」が、森林破壊の現状を知るには「アマゾン、森の精霊からの声」がおすすめです。
また、熱帯森林保護団体を始めとする環境保護団体にアクセスし、講演会などに参加したり、会員になることが直接の支援につながっていきます。
暮らしを足もとから見つめ直す
アマゾンの美しい夕日を未来に残すために、私たちにできることは?©RFJ |
そして「地球にやさしい」「からだにやさしい」だけが物を選ぶすべての基準にせずに、「どうやさしいのか」にも注意を払うことも大切でしょう。
こう書くと面倒そうですが、意識している、していないに関わらず、朝起きてから夜寝るまでの間、私たちは様々な事や物を選んでいます。それぞれの暮らしは、小さな選択の連続で形作られているといえるでしょう。その選択を「他の国の環境破壊につながらない」心がけて行っていくだけでも、地球への影響を小さくすることにつながっていくのではないでしょうか。
世界中で異常気象が起こり、多くの人が環境に何らかの不安を感じています。そして、1人、1人が地球環境と向き合っていかなければならないときにきているのではないでしょうか。そのためには、これまで無意識に選んでいたものに、自分なりの指針を持って選択していく。日々の暮らしをまずはそこから、見つめ直してみてはいかがでしょうか。
・関連サイト熱帯森林保護団体……アマゾンの熱帯森林保護と先住民の支援のために地道な活動を行っています。
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