子どもが安心して1日を過ごせる場であるはずの学校で頻発しているいじめ。その背景には何があるのでしょうか。
親が子どもを失う。たとえ、どんな理由であっても、これ以上、悲しいことはありません。もし、それが自殺だったら……。そしてその原因が学校でのいじめかもしれなかったら…。

いじめは心と体を傷つける重大な人権侵害です。学校でいじめにあったわが子を守るために、そして家族だけで悩まないために、親は何ができるのでしょうか。また、いじめを知ったとき、周囲の大人はどう対応すればいいのでしょうか。ボランティアガイドサイト的に考えていきます。

【INDEX】
いじめは体と心への暴力です。……P1
誰かをいじめて良い理由なんて1つもありません……P2
わが子をいじめから守るための5つのヒント……P3
周囲の大人ができるいじめ対策10カ条……P4


いじめは体と心への暴力です

武田さち子さんの著書「あなたは子どもの心と命を守れますか!」(WAVE出版)。いじめに大人たちはどう動けばいいか、子どもを被害者にも加害者にもしないために何ができるかを考えるために役立つ本です。
そもそも、いじめとはどんな行為なのでしょうか。文部科学省は、「1 自分より弱いものに対して一方的に、2 身体的・心理的な攻撃を加え、相手が深刻な苦痛を感じているもの。なお、起こった場所は学校の内外を問わないこととする」としています。

ほかにもさまざまな表現で定義されていますが、ガイドがいちばん納得できたのは、NPO法人ジェントルハートプロジェクト理事の武田さち子さんが定義する「いじめは生きる力を奪う体と心への暴力」という言葉でした。

いじめは日常の人間関係の中で起こります。一場面だけを傍目から見ると、仲間同士の「悪ふざけ」「けんか」「ちょっとやりすぎの行為」と軽く見られてしまいがちなのです。言葉の暴力だけでいじめられる例も少なくないことで、「軽い口げんか」と見過ごされてしまうこともあります。

でもそれが学校という閉ざされた空間で、複数の人たちによって、日常的に繰り返されているとしたら……、それは決して「悪ふざけ」でも「軽いけんか」でもありません。

大人が見て見ぬふりをするといじめはエスカレートする

大人が見逃したり、見て見ぬふりをしていると、子どもは黙認されたと思い、エスカレートしていくのもいじめの特徴です。最初は小さな芽でもあっという間に、手がつけられなくなるほど大きくなってしまいます。

いじめが日常的に、また、どんどん深刻になっていけば、いじめられる側には、顔を合わせる度に「また、同じことをされるのでは」という恐怖心が生まれるでしょう。学校へ行くことに極度の緊張を感じ、精神的に不安定になってしまうかもしれません。いつ終わるかわからない日常的な暴力から逃れるのは、とても困難なことです。それは、人を無力にし、将来の希望をも奪ってしまいます。

そういった悪循環の中で、心に深い傷を負い、希望を持てなくなった子どもたちは、自ら命を断つまでに追い詰められて、取り返しのつかない事態を招きかねないのです。

次ページでは、ジェントルハートプロジェクトのご紹介と、子どもにいじめをどう伝える? を考えます。