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いま、静かなブーム!ハチドリのひとしずく(2ページ目)

「ハチドリの一滴(ひとしずく)」という短い話が多くの人の共感を呼び、静かなブームとなっています。いったいどんな話なのでしょうか。なぜ、今、この話が多くの人に支持されているのでしょうか。

筑波 君枝

執筆者:筑波 君枝

ボランティアガイド

燃える森が意図するものは?

環境問題は大きすぎるけど、それぞれができることを始めないと、地球はいったいどうなるの?
燃える森はいったい何を象徴しているのでしょうか?

温暖化や酸性雨、砂漠化など悪化する一方の様々な環境問題を表しているようにも読めます。

また、21世紀になってますます深刻になる戦争や紛争、飢餓や貧困といった解決できない人類の課題であるようにも思えます。

あるいは、社会全体が閉塞感を感じ、そのストレスを爆発させているかのようなせい惨な事件が次々に起こる今の日本の状況であるかのような印象を受けるかもしれません。

どの問題も「早くなんとかしないとならない」と、誰もが感じていることばかり。でも、あまりにも大きく「いったい自分に何ができるというの?」と無力感もこみ上げてきます。

小さな小さなハチドリが「私にできることをしているだけ」と、黙々とひとしずくを運ぶ姿は、そんな無力感を感じる心に、「何ができるかわからないけど、まずは私にできることをしよう」という勇気を与えてくれているのではないでしょうか。

世代を超えて多くの人が支持

この話に共感する年代層は、ブログで情報発信をする若い世代から、「孫にこの話を伝えたいから」と、ブックレットをまとめて買っていく年配の方まで様々です。保育園や幼稚園、学校での読み聞かせとしても使われています。

中でも、特に、若い世代にその支持が目立っているようにも思えます。ナマケモノ倶楽部がカフェでのイベントなど、若い世代を中心に情報発信をしていることがその理由の1つでしょう。

また、今の40代より30代、30代より20代のほうが、環境や途上国の問題などに関心が高く、「自分にできることは?」と潜在的に危機感を募らせる人が多いのかもしれません。高度成長期、バブル期と上へ上へと向かう時代をリアルに体験してきた世代に比べると、物心ついたときにはバブルが崩壊して、社会状況の悪化や環境問題の深刻さを見聞きしてきた若い世代だからこそ、その柔らかい感性から湧き上がるような「何かをしなければ」という気持ちを切実に持っているのではないでしょうか。

ほっとけない! だから、いま、私にできるひとしずくは?

その大きなムーブメントが2005年に大ブレイクした「ホワイトバンド」であったでしょうし、「ハチドリのひとしずく」の静かな広がりもその延長にあるように思えます。

各界のスターが登場するという大胆なCM戦略でも話題になったホワイトバンドのような大ブームにはならないかもしれません。けれども、その分、ハチドリ クリキンディのひとしずくは、ジワジワとそして確実に多くの人の心を動かしていく、そんな予感がします。

やさしい言葉で書かれた短いお話です。残り少ない夏休み、お子さんと一緒に読み、「いま、私にできること」を考えてみるきっかけとするのもおすすめです。そのヒントを「地球を冷やす5つの習慣」にまとめました。

【関連サイト】
・ガイド記事どんな世の中を子ども達に伝えたいですか?…世の中全体が不安に包まれている時代だからこそ、考えてみたいこと。
・ガイド記事 この春、渋谷を廃天ぷら油のバスが走る!?……捨てていた汚れた天ぷら油もリサイクル。これもひとしずく。
・ガイド記事 木を植え続ける男。日本列島北上中!……環境にやさし持続型社会を目指すポール・コールマンさんのファンタジーのような活動を紹介しています。
・記事集プチボランティアしてみませんか?……あなたにできることのヒントをまとめた記事集です。

【関連リンク】
ナマケモノ倶楽部……ナマケモノになろう!をキャッチに活動するNGO。

【ガイドから】
・前回記事は「盲導犬に会いに行こう!」です。賢くてかわいい盲導犬にあなたも会いにいってみませんか?
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