視覚に障害のある方のパートナー、盲導犬。でも意外に、「実際に街で盲導犬と歩いている人と会ったことがある」という経験は少ないかもしれません。それもそのはず、現在、日本で活躍する盲導犬はわずか952頭。47都道府県で割ったら1県辺り20頭強です。

「それじゃ、会えないはずだわ」なんて、納得しないでくださいね。

「会えない」のなら「会いに行きましょう!」 ということで、日本盲導犬協会神奈川訓練センターで行われた見学会に参加してきました。イヌ派か、ネコ派と聞かれたら、断然ネコ派のガイドですが、賢くて、かわいい盲導犬のきれいな瞳に、「イヌもやっぱりいいワン!(すっ、すいません…)」と、ときめいてしまった1日をご報告しましょう。

盲導犬を知り、ふれあうチャンス!

盲導犬で最も多い犬種としておなじみのラブラドール・レトリーバー。性格が穏やかで人なつこいのが特徴です。ちなみにこの子の名前は、イレーネ。少々、遊び好きなのだとか。
(財)日本盲導犬協会は、盲導犬の育成団体です。盲導犬の育成や目の不自由な方のリハビリテーションなどのほかに、2004年には、日本盲導犬協会訓練士学校も開校し、盲導犬訓練士の育成も行っています。

神奈川県横浜市と宮城県仙台市には、盲導犬を育てる訓練センターもあり、定期的に一般の人を対象とした見学会が開かれています。見学会はテーマ別に行われ、盲導犬とのふれあいやパピーウォーカーの体験談などその回によってプログラムは変わっていきます。ガイドが参加したのは、横浜の神奈川訓練センターで行われた7月の回。盲導犬のデモンストレーションや、犬舎見学、訓練センターの授業見学、盲導犬体験歩行など、もりだくさんの内容でした。

たくさんのボランティアによって育てられる盲導犬

こちらの子の名前はバランス。あまり遊ばないのんびり屋さんなのだそう。
現在、日本で活躍する盲導犬は952頭。対して必要としている方は約7800人といわれています。必要としている人に対して、盲導犬の絶対数が足りないのが現状です。盲導犬に適している犬種は、ラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバー、F1(ラブラドール・レトリーバーとゴールデン・レトリーバーとの一代雑種)などに限られ、そう簡単に繁殖を増やすことはできません。

また、育てるまでに長い時間もかかります。

盲導犬となる犬は、盲導犬としての素質をもった繁殖犬を預かる一般家庭で生まれます。この家庭は繁殖犬飼育ボランティアと呼ばれます。盲導犬として活躍する犬種の代表、ラブラドール・レトリーバーの成犬は、23~30kgですが、生まれたときはわずか400g前後。母犬の元で生後60日間育てられ、6~8kgの重さくらいに成長すると、今度はパピーウォーカーの元に預けられます。

幼犬時代を愛情たっぷりの環境で過ごし、1歳になる頃、訓練センターに戻り、盲導犬となる日を目指した訓練が始まります。期間は、約6~9カ月。子犬の段階で、盲導犬には向いていないと判断されれば家庭犬として引き取られますし、訓練の過程であっても同じ。約2年の月日を経て、晴れて盲導犬としての日々が始まるのです。

盲導犬としての活躍期間は、およそ8年。10歳になると、盲導犬としてはリタイアし、引退飼育ボランティアとよばれる一般家庭で余生を送ります。一頭の盲導犬が生まれてから成長し、活躍、リタイアしてセカンドライフを送りまでにはたくさんの時間が費やされ、多くのボランティアによって支えられているのですね。だから、盲導犬の数を増やすのはなかなか難しいことなのです。

次のページでは、見学会の様子をたっぷりとお届けします!