NPOは非営利組織。ボランティアは活動する人を指します
国際協力NGO、シャプラニールがバングラデシュダッカで開くストリートスクールに通う子どもたち。©シャプラニール |
社団法人や財団法人、社会福祉法人、学校法人、宗教法人、生活協同組合、労働組合、農業協同組合なども広い意味でのNPOと定義されるため、NPOだからといって必ずしもボランティア団体とは限りません。
日本では、1998年にNPO法(特定非営利活動促進法)が成立され、NPOとして登録し、認証を受けると、会社組織のように法人として認められるようになりました。そのため、NPO法人(特定非営利活動法人)と認証された団体を、NPOと呼ぶことも多いようです。また、市民が自発的に組織を作り、ボランティア活動をしている団体が多いことから「市民活動」、「市民公益活動」と呼ぶこともあります。
日本NPOセンターでは、NPOを「医療・福祉・環境・文化・芸術・スポーツ・まちづくり・国際協力・交流・人権・平和など、あらゆる分野の市民活動団などの民間非営利組織で、民間の立場で活動するものであれば、法人格の有無や種類を問わない」と定めています。
NGOは、民間の立場でさまざまな問題に取り組む非政府組織
また、NGOはNon-Governmental Organizationの略で「非政府組織」と訳されます。政府や国際機関ではなく、民間の立場で国境や民族、宗教の壁を越え、さまざまな問題に取り組む団体のことです。政府に異を唱える「反政府組織」ではありません。利益を目的としていませんから、NGOはNPOということになります。企業と対比する活動を強調する団体はNPO、行政との対比を強調する団体はNGO、と使い分けたり、国際協力の分野で活動する団体に限ってNGOと表現したりすることもあるようです。
ちなみに「非営利」だから、利益をあげてはいけない、あるいはすべての活動をボランティアで行わなければいけないと思っている人も多いようですが、これも誤解。非営利とは、得た利益を役員や会員などに分配してはいけないという意味です。
株式会社の利益は、役員、株主に分配することができますが、NPOではそれは許されていません。利益は活動のためだけに使わなければいけないのです。「非営利」とはそういう意味です。
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