夏期講習の予習復習を利用する
さて、暗記もので解決するような苦手は上記の対応で済むが、算数で「速さ」が苦手、理科で「力学」が苦手、国語で「論説文」が苦手、社会で「地歴融合問題」が苦手など、症状の重い苦手は毎日30分程度ではどうにもならない。かと言って予習復習の他にまとまった時間を当てていては睡眠時間が不足してしまう。またそれを家庭で教えるのはかなり大変だ。塾の夏期講習は多くの場合、それまでの総復習をこの期間に行うようになっているはずだ。したがって苦手分野がもう一度目の前にやってくる。そこで、それを利用して苦手分野の底上げを図ることにしたらどうか。
問題のレベルはどの教科・分野でも
■レベルA…塾生の8割以上が解ける問題
■レベルB…塾生の約半数が解ける問題
■レベルC…塾生の2割が解ける問題
苦手分野は基礎基本を重点的に復習すべし |
したがって夏期講習の予習時に与えられた課題プラス、過去のプリントやテストで同分野の問題を引っ張り出したり、先生に頼んで余分にプリントをもらうなどして、他の分野の予習より時間をかけて学習する。レベルAが確実な状態で授業を受ければ、復習でレベルBにじっくり取り組める。
レベルBがほぼ全て解けるなら苦手とは呼ばないから、レベルBの半数は解けるくらいを目標にしたらどうか。あるいは小問3つに分かれていたら、小問1は確実に解くとか(小問1は基本レベルのことが多い)。
そして苦手分野については、できるだけ分からないところをそのままにしない姿勢が重要だ。授業の後で先生に質問して解決して帰るようにしたい。よく質問に来る生徒は成績が伸びると塾の先生が言っているように、苦手克服に塾を利用しない手はない。頼めば宿題プリントを出してもらうこともできるはず。
間違えた問題は得点力UPの急所
受験生である6年もそうだが、4・5年生も苦手を残しておくと後々苦労する。塾の通常授業での復習テストを保存してあれば、それらのレベルA・B問題で「間違えた問題」「できなかった問題」を解き直すことは得点力UPにつながる。なにしろ得点できなかった問題ができるようになるのだから、その分点数が上積みされるのは当然だ。受験学年でなければ暗記物よりも、過去のテストの復習を毎日少しずつ、コツコツと積み重ねて行く方が力がつく。ただし、再度挑戦しても解けず、解説を見ても分からなければ先生に質問するようにしたい。
もちろん親が教えられるなら、それでも構わない。その場合は塾の解き方を知って、自己流で教えないこと。また教えすぎないこと。問題の意味の把握ができていないのなら、ここを親が面倒みてしまっては実力向上することはできない。問題文を区切りながらポイントを囲んだり、アンダーラインを引きながら読ませ、出題の意図を理解しているか子どもに聞いてみよう。
こうしてコツコツ復習した子どもは秋以降、実力になって現れてくる。長い夏休みをオンとオフのメリハリをつけて乗り切ってもらいたい。
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