年長からの小学校受験の準備

年長からの小学校受験の準備

年長からの小学校受験の準備


「中学受験が大変なので、お受験させるの」というママさんが知り合いにいます。小学校受験にも別種の大変な苦労があるのですが、それはその渦中に巻き込まれてから初めて気づくようです。

またこの世界(=お受験)に足を踏み入れると、とことんはまって周りが見えなくなってしまうママさんが多いので、先輩ママ達が語っているアドバイスをまとめてみました。それに私なりの解説を加えます。少しでも客観的に小学校受験をとらえる助けになると幸です。
 

小学校受験の年長さん……周囲との関係

幼児教室に通う受験生が大部分だが、それは千差万別

幼児教室に通う受験生が大部分だが、それは千差万別


小学校受験することを周囲に話した方がいいのか、黙っていた方がいいのかですが、「秘密」にした方がいいという意見が多数です。理由は変な噂を立てられたり、子ども同士の関係が上手く行かなくなったり、カミングアウトしても良いことがないからです。

「小さい子どもにスパルタでお勉強させるなんてかわいそう」とか「お高くとまっているんじゃないわよ」などと根拠不明な誹謗中傷を受けることがあります。そんな噂を耳にして気に病むくらいなら、隠し通した方が楽です。もちろん受験幼稚園で受験する人が珍しくないなら、カミングアウトして情報交換するのは構いません。

夫婦それぞれの実家に話すかどうかは、ケース・バイ・ケースです。学校説明会や入試で協力を仰がなくてはならないのであれば、話した方がいいでしょう。そうでないなら受験に賛成してくれそうかどうかで違ってきます。「そんな小さい頃から塾だなんて……」と言われかねないのでしたら黙っていましょう。

周囲に秘密にする場合は、子どもにも幼児教室に通うのは「お稽古事の一種」と思わせておいた方が無難です。そうでないと子どもが「わたし、○○小学校に行くの」とお友達に言ってしまうかもしれませんから。「あなたはクイズやゲームをするお絵描きの教室に行っているのよ」など工夫してください。
 

幼児教室に通う?家庭学習で大丈夫?

これはもう千差万別です。

・志望校
・子どもの性質
・家庭環境
・受験を思い立った時期
・しつけ
・どんな幼稚園(保育園)に通っているか

などその子がどんな風に育ったかによって異なります。例えば家庭で早期教育を受けている子もいれば、自由保育の幼稚園で集団行動をほとんど経験していない子もいます。しつけをしっかりされた子もあれば、甘やかされて育った子もいます。

ある程度の基礎ができていれば家庭学習と模擬試験で十分受験に臨めるでしょう。しかしそれも志望校次第です。その学校向けの準備が必要な場合があります。

大学附属小学校を選ぶのか、進学校の附属を選ぶのか。しつけ重視の学校を選ぶのか、のびのび教育の学校を選ぶのか。志望校とご家庭に合わせた方法を選択しましょう。

ただ、1年程度教室に通う家庭が一番多いということは言えます。情報やカリキュラムを教室の指導に合わせて準備すればよいのですから。

個人の先生か大手の教室かも一概に決められません。
項目 個人塾 大手教室
情報力
指導のきめ細かさ
費用 ×高い ○普通
透明性
上の表で「透明性」というのは、例えば応募が公開されておらず口コミでしか知ることができなかったり、費用についても明確にリストアップされていなかったりする可能性のことです。個人塾にはこのようなところもあります。

体操教室や絵画教室にも通う子どもがいます。必要かと言えばそうではありません。でも運動やお絵描きを苦手としていれば、その克服のために通うのは効果的でもあります。やはり専門の先生の教え方は上手ですから、親が面倒をみるより早く結果が出てくるでしょう。

まったく教室に通わなかったという合格ママも少ないながらもいます。家庭でのしつけと身体を使った遊びや情操教育が行き届いており、ペーパーの練習と模試で何とかなるケースです。このような家庭では、学校もお子さんに合ったところを選ぶので、より合格可能性が高くなります。

とはいうものの、一般的には少なくとも一つの教室には通うことを選ぶと思います。また、模試も多くの先輩ママが受けて良かったと答えています。模試で足りないポイントを知り、家庭学習やしつけの目安とするのがいいでしょう。

教室のある日以外の家庭での過ごし方が重要です。小学校受験で模試の偏差値などはあまり意味を持ちません。一喜一憂せずに家庭学習の狙いを絞る道具として利用しましょう。
 

家庭学習のやり方

基本的生活習慣は家庭で身につけることが基本

基本的生活習慣は家庭で身につけることが基本


■ほめて叱らない
できなかったりすると、どうしても腹が立ったりしますがじっとガマン。10ほめて1叱るでいいのではないでしょうか。ガンガンスパルタでやって合格を勝ち取るママもいますが、あまり叱らなかったママの方が多く合格しているように思います。

■やっておいて良かったのは、「箸の使い方の練習」「折り紙の練習」
家庭でペーパーの練習をする際は、時間を意識することが重要です。最初は「できるまで」でいいのですが、模試で時間切れになったことがあるので、家庭でも時間を計りながらやらせたという合格ママがいました。理解した問題は時間を計って「すごい、また早くなったよ!」などとストップウォッチを見せたら励みになるかも知れません。

■塾任せにしない
基本的生活習慣、挨拶などは家庭で身につけるもの。塾のない日が勝負と感じる先輩ママは多数です。教室でやるだけだと応用が効かないのです。身に染みついていると初めて直面するケースにも対応できます。

「お出かけなどの空き時間に「しりとり」「なぞなぞ」などのことば遊びをする」「知らない大人や知らない子どもと関わる機会を多くもつ」「しっかり外で遊ばせる。自然と触れ合う」などの3点はどれも、机の上だけでなく経験を通じて知識というよりは知恵を身につけさせようとする意図が感じられます。入試でこの「経験知」が問われるようになったこととマッチしています。
 

しつけ上の注意点

■自分を特別だと思わせる褒め方はしない
「ほめる」というのと反対に聞こえますが、ほめるのはいいけれど自分を特別と思わせないように注意します。行動観察などで他の子への態度に出るからです。友達と仲よくできる子が選ばれます。

■規則正しい生活を送る
「早寝早起き、三食きっちり食べる」「おやつは時間を決めて」「テレビもだらだら見ない」など基本的な生活習慣を確立するよう先輩ママさん達は心がけています。これは小中学生でも成績の良い子の特徴とのこと。

■過保護にならない
お子さんが自分でできることを手助けしていると、それが入試会場での行動に出てしまいます。衣服の着脱を手伝ったり、鼻をかんでやったりしてはいけません。普段やっていると出てしまいます。多くの学校で自立心のある子を求めています。合格ママはここにも気をつかっています。

■教室で注意された点を日常生活にフィードバックし改善する
学習面と同様に教室で態度やしつけの面で受けた注意は、家庭生活で改めるように心がける先輩ママが好結果を出しています。ここでも塾任せでなく家庭が主体的に取り組むという姿勢が大事だとわかります。
 

ママさんのメンタル面

小学校受験生活に入ると日常いろいろと不安になったり、イライラしたりすることがあります。メンタル面のブレを少なくするような方法をとっている合格ママも多いようです。

■ストレスをためこまないようにする
何らかの方法でストレスを発散できる人が強いのは受験に限りません。真面目な人ほど考え込み煮詰まってしまう危険性があります。受験に関係ない友人に話を聞いてもらったり、時間を見つけて好きなことをして発散するようにしましょう。

■必ずしも実力で合格するわけではないと割り切る
「こんなにやって不合格になったらどうしよう」などと考えるから、不安になるのです。「こんなすごい倍率だから、受かったらラッキーだわ」「落ちても小学校に上がって役に立つことをやっているんだ」という割り切ってはいかがでしょう。気が楽になるのでは。

■子どもを信じてできるようになるまで待つこと。受験ギリギリまで伸びる子もいる
模試などでも順位が上がらずどうなることか……と思いながら、あきらめずに入試まで取り組んで合格したという話はよく聞きます。この年齢の子どもは急激に成長します。直線的・連続的に伸びるのではなく、段階的に飛躍します。昨日までできなかったことが、今日は楽々できるということも起こるのです。お子さんを信じてあきらめずに待つことも大切です。

■あせって子どもを勉強漬けにしない
あきらめないからと言って、できなかったプリントを何十枚もコピーしてやらせては無意味です。「毎日の生活が楽しくなかったら、子どもが喜んで勉強してくれるわけがない」というママさんがいました。中にはスパルタでやっても大丈夫な子、合格する子もいるのですが、たいていの子どもはそこまで強くないことを知っておいてください。

■他の子と自分の子を比較しない
「他の子はできるのに家の子は……」と比べることで落ち込むなどよいことがなかったと失敗談を語ってくれた先輩ママもいます。また逆の形でそれを普段の言動に出してしまい、お子さんが自分の方が優れているというような意識をもってしまい、それが試験に出たのを目撃してというママもいました。課題制作で「きみのはへんなの。僕のがカッコいいよ」と言う子がいたそうです。いずれにせよ「他所は他所、うちはうち」と割り切りましょう。
 

パパさんの役割

小学校受験を目指して夫婦で協力しましょう

小学校受験を目指して夫婦で協力しましょう


■夫婦一致して受験に臨むこと
多くの先輩ママが苦労するのはこの点です。小学校受験はママ主導で始まることが多いため、「ママに任せた!」というパパが多いのは仕方のないところでもあります。しかし教室への送迎を頼んだところ、そこでの様子を見てガラッと変わったという話も聞きました。受験勉強を外から傍観するのではなく当事者にすることが第一です。できる限り協力してもらいましょう。
 

うわさへの対処法

入試後の感想として一番多く寄せられるのが受験にまつわる「うわさ」に関してです。「お受験」は特殊なものだと周囲から吹き込まれるため、冷静に考えれば根も葉もないうわさ話までも信じてしまったということ。

・「○○デパートのスーツが良い」などの情報が飛び交うが、終わってしまえば合否に無関係だったと思う。T.P.OをわきまえていればOK

・小学校受験を特別視しないこと。常識が通用しない世界ではない

このような感想をおっしゃる先輩ママのなんと多いことでしょう。ただ、うわさと言うよりは当然と思われる内容も流布されているので、取捨選択するフィルターを持つ必要があります。あるいは幼児教室の先生に確かめるといいでしょう。

持ち物や洋服のブランドなど「物」にまつわる「どこどこの~がいい」は気にしなくていいでしょう。それでも気になるようならうわさに従えばいいわけですし。逆に紺をさけて黒やグレーにして目立つようにしたという強気ママもいました。
 

志望校の選び方

これはもうお子さんそれぞれ、家庭それぞれに方針が違うのでなかなか共通項が見つかりませんが、あえて言うと

・子どもの性質との相性を見る
・受験する可能性がある学校は必ず見学に行く

ということでしょう。「うちの家系は代々この学校」というのであれば、それにこだわるのもいいでしょう。お子さんの教育方針もおそらくはその学校とあっているのでしょうし。ただ、兄弟でも違う学校を受験させるなど相性を考えている先輩ママはうまく合格をつかんでいるようです。

また学校見学するのは当然と思われるでしょうが、本命の1~2校以外は直前まで目に入らず、慌てて出願したのはいいけれど面接で来校の有無を聞かれて焦ったなどの声もあります。時間と気持ちの余裕がある内に受験可能性のある学校は見学しておくといいでしょう。
いかがでしたか。やはり合否の結果にかかわらず先輩ママの意見は参考になります。多くはこれまでもあちこちで語られ、書かれている内容なのですが、実際に体験した方々から聞くと「なるほど」と共感できるのではないでしょうか。入試まで間がある今の内に、先輩のアドバイスで取り入れられるものは取り入れるようにしたいものです。

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