ストレス

Q. 彼氏に見捨てられないか、いつも不安でたまりません

【公認心理師が解説】恋愛依存でも多く見られる「見捨てられ不安」。幼少期に身近な大人との関係がうまく築けないことが原因で、人との関係に過剰に不安を感じてしまうケースがあります。対処法も含めて、解説します。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

Q. 彼氏に見捨てられないか不安でたまりません

不安でスマホを見る女性

「彼からの返信が遅いだけで、不安が抑えられなくなる……」 恋愛における「見捨てられ不安」とは?


Q. 「いつも同じパターンで恋愛がうまくいかなくなり、悩んでいます。いい雰囲気で過ごせていても、何の根拠もなく『浮気されていたらどうしよう』『別れを切り出されたらどうしよう』と、不安でたまらなくなり、相手を束縛するようなことをしてしまいます。結局、それが原因で距離を置かれたり、『重い』と別れを切り出されたりします。心配性な性格なのかもしれません。性格を直すには、どうすればいいでしょうか?」
 

A. 「見捨てられ不安」が強い可能性があります。「思いぐせ」を直す訓練を

「見捨てられ不安」とは、家族や恋人などの信頼する人が離れていくことに、強い不安を感じてしまう心理状態です。

恋愛中、相手に見捨てられないか不安になったり、一緒にいないと相手が何をしているか気になり、何度も確認したい衝動に駆られたり、他の異性と話しているところを見ただけで嫉妬してしまったり……。

見捨てられ不安が強いと、そのような考えを消せなくなるため、恋愛がうまくいっていても、つらくてたまらなくなる、という人もいます。

見捨てられ不安の原因として考えられるのは、幼いころからの「思いぐせ」です。人間は、最初から安心感や心の安定を持っているわけではありません。小さな赤ちゃんの頃から、「泣いたときに抱っこしてもらった」「かんしゃくを起こしても、受け止めてもらえた」といった、身近な大人との経験を通して、心の「安心感」や「安定感」を培っていきます。そのように成長することで、一人でいても不安にならない心ができていきます。

一方で、幼少期に身近な大人との関係で不安を感じた経験が多いと、成長してからも、 人との関係に強い不安を感じてしまうことがあります。「失いたくない」という過剰な不安が生まれ、相手を束縛してしまったり、不安をぶつけてしまったりするのは、このためです。

大切なのは、考え方や行動を見直してみることです。
 
  1. 不安の背景・原因となっている出来事を知り、その時の気持ちを見つめる
  2. 強い不安が生じたときの、折り合いのつけ方を身につける
  3. 心の中の「子どもの私」の気持ちに寄り添い、安心させる
 
もし、この3つのポイントを押さえても見捨てられ不安が強く、自分一人ではどうにもできないと感じたら、カウンセラーや医師に相談することも大切です。子どものころから抱え続けている「思いぐせ」に気づき、できるところから不安をやわらげていきましょう。

さらに詳しく知りたい方は、「『見捨てられ不安』とは…恋愛依存にも多い原因と3つの対処法」をあわせてご覧ください。
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